戦前の奇術研究家・阿部徳蔵の小説についての感想文

阿部徳蔵の復刻版小説三冊を読み終えてから1ヶ月以上が経ち、読後の余韻が鮮明に残って内に感想文を書こうと思いつつ…つい先延ばしをしたため、マジックを観賞した後の状況のように靄が掛かってモヤモヤ…。それでも書かないよりはマシと思い感想を認めます。

小説を読む楽しさは人によって種々あるのでしょうが、私の場合は…
・読み進むと、ストーリーに引き込まれ、時間を忘れて先を読みたくなる物語。
・読了後、爽やかな気分になったり、世の真理を感じたり、心に強く響く物語。
阿部徳蔵の小説の特長は、何と言っても物語の中に奇術が組み込まれていることです。顔からは想像出来ないモダニズムが基調にあり、同時代の作家江戸川乱歩氏や、後代の泡坂妻夫氏の作品に類似したような作品もありました。幾つかは正に秀作、小説家・阿部徳蔵が存在したことを思い知った次第です。下記に面白かった作品を列記しておきます。

二巻目 / 表題『未亡人の妖術』から
「未亡人の妖術」;昭和2年「改造」に掲載
「改造」は社会主義的な傾向の雑誌で大正8年に創刊。志賀直哉、谷崎潤一郎、芥川龍之介等の作品を掲載したそうで、徳蔵は谷崎、芥川、佐藤春夫と交友があり、この雑誌には度々寄稿。佳作が多い感じです。この小説は交霊術を組み入れていますが、ストーリーが確り構成されていて、話に引き込まれました。
「易」;昭和13年「改造」に掲載
殺人事件が突然消え失せ、そのからくりは素人劇のプログラムで明らかに。
「雨の夜の愛人」;昭和8年「犯罪公論」に掲載
犯罪公論は昭和6年創刊のエログロ雑誌だそうで、徳蔵はこの雑誌に多くの作品を寄稿。この小説は心霊現象を組み入れ、最終段の種明しは見事。私がこの作品に興味を抱いた理由の一つは…私が住む地が舞台になっているからでした。「常磐線で東京から、二時間ばかりのところにAと申すちいさな駅があり…東に二里はいった処に女化ヶ原という大きな原があります。…その原の西側に初瀬村という村がありまして、女化神社や初瀬は当地に存在します。但し徳蔵が当地を訪れた形跡は未確認につき、私の手持ち遺品から探索をしてみようと思っています。

三巻目 / 表題『明暗屏風』から
「僧と霊魂」;昭和10年「改造」に掲載
当初は平賀源内が登場する時代小説。しかし話はその後一人の僧が語り始める。この小説が自分は一番面白かったです。
「明暗屏風」「走馬灯の謎」「謎の箱」;昭和14年「新青年」に掲載
新青年は大正9年に創刊され昭和25年まで刊行された総合雑誌で、当初の発行元は江古田書房。モダニズムの代表的雑誌の一つで、江戸川乱歩や横溝正史などの探偵小説を掲載し、推理小説科家の活動の場として歴史上大きな役割を果たしたそうです。昭和14年に書かれた徳蔵のこの三作は上質な短編作品であり、読まれた方は推理小説家阿部徳蔵の存在を必ずや認知されるのでは~。
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# by ishiken55 | 2018-12-05 16:29 | 文芸 エッセイ | Trackback | Comments(0)

秋の詩のイメージから…二つのマジック公演を振り返る

《秋の歌》秋の日の ヴィオロンの ためいきの ひたぶるに 身にしみて うら悲し

《落葉》秋風の ヴィオロンの 節ながき啜泣 もの憂き哀しみに わが魂を痛ましむ

上の詩は、19世紀のフランスの詩人ポ-ル・ヴェルレーヌの詩を、日本の詩人 上田敏と堀口大學が訳した作品です。夫々の詩集『海潮音』と『月下の一群』に収められ、私は岩波の文庫本で愛読。中学・高校の国語の教材になっていたりするので、ご存じの方も多いと思いますが、私個人としては、文章の響きが良い上田敏の訳詩の方が好みです。

<秋のマジック公演観賞・その1>
11月7日(水)はTSUKASA師の三ヶ月毎の定期公演『六本木マジックサロン』を観にシーボンビル8階の六本木シンフォニーサロンへ。今回が第33回だそうで…計算すると8年間続けて来られた由に。継続されている事に先ずは拍手を送ります。来場客を見回すと毎回来られていそうな方が多く見られ、この公演の家族的でホットな雰囲気に魅力を感じているのでしょう。

今回のゲストは戸崎拓也さん。個人的な面識はありませんが、彼が20才頃の13年前マーカ・テンドー師のマジックコンベンションを初め、幾多となくその奇術演技を拝見して来ています。ただ…この数年はプロ活動移行のためか、姿を見ておりませんで、同時に夏開催の「マジックマーケット」を主催しているとの情報は耳にしておりました。殆どのスライハンドマジックをレパートリーにされている戸崎氏ですが、今後は演技者、スクール運営、イベント企画…どの道に基軸を置かれて行くのか注目です。

司さんは催しの一週間前食中毒になり、二日間絶食したとの事でしたので、もしやお顔がゲッソリしているのかも~と思っていましたが、何時ものビッグな表情を拝顔し安心しました。この公演、奥の別室では開演前と休憩時にジュースやお茶,お菓子,そして手作りの稲荷寿司迄もが供され、来場された方と談話をすることが出来ます。私も開演前と休憩時に稲荷寿司を中心に確りと腹拵え。終演は9時少々前、優に2時間を要する帰路…途中でアルコール補給を考えるも、腹八分状態。この日は二ヶ月振りの休肝日に。
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<秋のマジック公演観賞・その2>
今月の土日はアマチュアマジッククラブの発表会が目白押しです。ただ…足を運ぶとなると、住いの関係から幾つも出掛けるのはキツイので、一つに絞りました。それが11月10日(土)に「しもきたドーン」で開催された『世田谷マジッククラブ』の発表会です。“港町そして秋の公園にて”と題されたマジックショーは、午後1時半~3時半。15分程の休憩を挿み16演目の2時間。巧みな映像、場所設定&ストーリー、また演技にマッチした衣装を纏い、皆さん実に素敵なマジックを披露して頂き、心地良いひと時でした。

今回が4回目の発表会。3年前にクラブを指導されておられる吉田誠氏から初発表会のご案内を頂きました。だた、その時期当方がん宣告を受け翌月に手術が控えていたため観に行けず仕舞い。過日吉田さんから発表会の映像を頂き、そこに今回のショーの原点が。大トリで演じられた吉田さんは知る人ぞ知る…千葉大学マジックサークルの創始者であり、18才の私は朝日生命ホールで「四つ玉」の演技を拝見しました。その半世紀後に同じ方の演技に間近で接し心ワクワク。特に、しなやかなミリオンフラワーには感動一頻り!

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下北沢に降り立つのは実は初めて。そんな私ですが、何を隠そう小田急線のテレビCMのファンなのです。ここ数年放映の作品はどれも好きで、最近作の下北沢バーションは一番のお気に入り。男女は異なるも、22,23歳の時の失恋の思いが蘇って涙がポロリ?
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# by ishiken55 | 2018-11-14 15:17 | マジック ニュース | Trackback | Comments(0)

KMCの文化祭マジックへ

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この季節は色々な文化祭が各地で催される季節ですが、先の土曜日(10/27)は母校奇術部KMCのマジックを観るため、10時半に家を出て南千住の汐入へと向かいました。
<注>現在は自分が学んだ学校名とは異なります。

午後1時半から始まった7Fのサロンマジックは6名の演者。
<ロープ・玉・シンブル・ジャグリング゙・ウォンド・シルク&フラワー>

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どれも確り演じられていて甲乙付け難い演技。強いて一つ挙げるとすれば、ジャグリングを演じたG君でしょうか。7月に所用で奇術部を訪れた折に彼と少々会話。私がマジックにジャグリングが入るのは好きではない旨を告げ、但しG君のジャグリングは奇術的要素を取り入れている所は評価するよ~とその時告知。今回もその努力が見られ、技も見事でした。

演技が終わった後の客席で一人の部員が椅子に座り泣き崩れていました。その背中を上級生が慰めている姿が…。ウォンドを演じた部員のようで近くに居たOBに理由を聞くと、演技中に道具を落としてしまい、手順を変えて演じざるを得なくなった悔しさからとの事。マジックの青春を目にし、遠い自分の時代が懐かしく~。

次は3時半からのステージマジックを観に2F汐黎ホールへ。
ロビーのソファーに座り開場待をしていると、隣に座った40才代と思われる二人の女性が仲良く会話。何方も感じの良い女性、特にお一人は~田中裕子さんを二回り若くしたようなご婦人。「奇術部員のお母さん方ですか?」と声を掛けると「そうです!」との返答。「歳を取っていますが、私奇術部のOBです」と名乗ると、「家の子は、この学校に奇術部があるので入学しました」と思い掛けない返事。更に「今年の夏は東急ハンズでマジック関係のアルバイトをしていました」と言われ、マジックに超積極的な部員が居る事に~嬉しいやら~恐ろしいやら。

そしてステージマジックの演技はサロンと同様に部員6名に+one。
<リング・シンブル・ジャグリングA・カード・ジャグリングB・ロープ・棒と玉>
サロンよりも上級生が多いので、ジャグリング以外は演技のレベルは高く、この中で良かった演技を一つ挙げるとすれば、トップバッターで最上級生の女性部員Mさんのリングでしょうか。1年生の時の初々しい演技から5年間に渡りステップ毎の成長の演技を見せてくれたことに感謝!
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また最後の出演者は外部の若者との紹介で、白いウォンドとボールを組合せた演技を披露。演じた後…最近何処かで見た気がして部員にその事を告げると、先月のテンヨー大会に出演した“せとなくん”でした。ロビーでの観客お見送りの折に彼と少々話をしました。「誰か先生に就いてマジックを習っているの?」と問うと、「いいえ」との事。今回の演技もテクニックは抜群ながら、手順にストーリーが無いのが気になりました。プロの道に進むのであれば、確りとした先生に就いて学ぶべきと思いました。
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ステージマジックを観た後は、OBは30代前半迄につき酒盛り相手が居ず、真っ直ぐ帰路へ。南千住駅に向かい一人で歩いていると、後ろから女性に声を掛けられ「背中のバックのチャックが空いているのが先程から気になっておりまして…」と言われ、リュックを見ると、確かにチャックが半開きになっていました。注意をして頂いたお礼を言うと、「私、先程マジックショーのホールで隣に座っていたYの母親です」と告げられました。Y君は昨年度のリーダーだった部員で今回はステージの方に出演していました。「毎年文化祭や発表会には家族全員で観に来ていたのですが、今回が最後の出演になるようなので、今日は私だけ来ました」との事。昨日は四十代の女性に声を掛けたり、掛けられたり…。半世紀前の種が育っているのは嬉しいですが、此処まで育つと、ただ静かに眺めるのがよろしいようで~。
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# by ishiken55 | 2018-11-01 11:18 | マジック ニュース | Trackback | Comments(0)

『第72回 TAMC マジック発表会』出演録

10月7日の日曜日は東京アマチュア・マジシャンズ・クラブの『第72回 TAMC マジック発表会』が大手町の日経ビル3階の「日経ホール」で開催されました。
今回の発表会の副題は不思議な楽しい世界へ

そして、私も第二部の中盤で「イエローマジック」と題し、マジックを披露しました。昨年はTAMC発表会が休止でしたので、2年振りの大舞台。初めて立つステージにつき、少々戸惑いもありましたが、無事(?)演技を終えることが出来ました。

■ イントロは「シングル ウォンド」。40秒程の手順に目新しさはありませんが、黄色の糸を巻いた手製の道具は、家族会で使った事があるものの、ステージでは初のお披露目でありました。

■ 2つ目の演技は「リングとロープ」。此方の手順は、ステージで何度か演じた手順のイントロと中程の動作1つを省いて3/4に短縮し、3分弱にしました。また、リングとロープ夫々の道具は初めて使う品で…今迄のリングにピンク系の糸を巻き付け、ロープは太い黄色にしました。そして此処までBGMは、ピアノ独奏の中島みゆきさんの曲「わかれうた」。

■ 次からBGMはラテンナンバー「マイ・ショウㇽ」に替え、「真田紐の復元」の演技。アシスタントは会員の奥さまにお願いしました。この演目は自分が初めて演じる目玉マジックです。以前“このおうち”の記事に書きましたが、入会時にお世話になった故・坂本芳彦氏の遺品を使わせて頂き、ステージ上から芳彦さんへのお礼と慰霊をするのが目的でした。どのような出来栄えであったかは別として、目的は果たせのではないかと思っています。

「リングとロープ」の演技中、リングをトスして掴む箇所でリングを落としてしまいました。今回糸巻きを施したリングを初めて使い、幾つかの箇所で今迄とは異なる難さがありました。その一番があの箇所で、リングの手離れが思うように行かず、練習で何度も失敗をしていた動作でした。今回も「練習でダメなものは、本番で上手く行く筈はない!」ことの教訓を、実感した次第です。
<一番下の写真は、大トリの都築幹彦氏(元会長89才)の演技姿>
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# by ishiken55 | 2018-10-12 16:20 | マジック ニュース | Trackback | Comments(0)

『第60回 テンヨー マッジック フェスティバル SIXTY』1/3鑑賞記

先日の日曜日(9/30)は、日本橋三越百貨店本店6階の三越劇場で「第60回 テンヨーマジックフェスティバル」が開催される日でした。しかし、当日は大型台風24号が日本列島を斜めに通過するとの情報があり、首都圏のJR東日本は、午前中に午後8時で全ての車両の計画運休を行うとテレビで報道されていました。

自分が確保したテンヨー大会のチケットは午後5時から始まる「夜の部」…さて、どうしたものだろうかと、午後2時過ぎ迄“行く~止めるか”悶々と悩んでおりましたが、てっぺんには殆ど無い髪を引く見えない念力(?)に逆らえず、3時少し前に家を出て、フェスティバルの会場~日本橋の三越劇場へと向かいました。

午後5時に開演のショーは、休み時間等を詰め午後8時に終演になると告知されましたが、3人目の演者のMASAYOさんまで観て、会場を後にしました。NHKの朝ドラ「半分 青い」は前日終了しましたが、今回のテンヨー大会は「2/3 ??」。それでも1/3の演技について、備忘録として少々書き残しておこうと思います。

渋谷駿&かほのお二人
鳩出しとミリオンカードが中心の演技。駿さんの若くて美しい立ち姿は実に良いイメージで、かほさんとのタップダンスの気持良いテンポが、観る人の心に潤いを齎していました。鳩もカードもそつなく熟していたと思います。今後の成長が期待できるプロマジシャンと思いますが、演技の中にプロとしての特長又は個性が今後は必要になって来るでしょう。
せとなさん
2017年テンヨージュニアマジシャンコンテストでグランプリ受賞したそうで、白を基調とした大きさの異なるボールも組入れた四つ玉とフワフワした白のシルクのようなモノを組合せた演技。ユニークさもあり、テクニックも相当なレベルに思えましたが、一番の問題はストリーが無いこと。プロではないので、厳しいことは言いません。今後に期待デス。
まさよさん
FISM釜山大会の前の7月初旬に『奇術の宴』で拝見した演技でしたが、その時とは、イントロと中間のロングのロープの演技内容が変わっていたように思いました。今回はイントロに赤いロープを用いていたのは、(赤は清潔感がないので)個人的には感心しませんでした。中間のロングのロープの箇所は演技に締まりが出て、とても良いと思いました。

自分が観たのは、此処迄でした。タンバさんと外国人のFISM入賞者二人の演技を観たかったのですが、長い人生…色々あります。但し考えてみたら、果たして後何回テンヨー大会が見られるかと思ったら、心許無い丸太橋~。
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# by ishiken55 | 2018-10-06 17:23 | マジック ニュース | Trackback | Comments(0)

マジック愛好家・大ベテラン宅の訪問録

もう二週間以上前になりますが、我孫子にお住いのベテランのマジック愛好家である村越邦雄氏のお宅を初訪問させて頂きました。今春TAMCの研究委員会で作成した冊子「高木重朗氏の業績研究」を、お求め頂いたのを機に、電話で何度か話をさせて貰うと共に、奇術に関する古い情報を手紙でお知らせ下さったりした方です。村越さんは、私より年齢もマジック経験も十年近く先輩であり、高木重朗氏とは、MMC・TCC・連盟(JMA)などを通して深いお付合いを持たれていたそうで、高木氏がご存命の時はTAMCの発表会によく来場されていたご様子。

村越さんからは「お互いの家が近いようなので、是非お寄りください」と云われていたので、10月7日に開催するTAMCのマジック発表会のチケットをお渡しするのと、今クラブ内で探しているマジック関係の冊子をお貸し頂くのが、訪問の主目的でありました。二つの目的を済ませた後、色々とマジック関連の談議を二時間以上に渡りさせて頂きました。このおうちの記事を読まれたことがお有りなのか…四つ玉とファンカードの書籍と道具をご準備して下さっていて、初対面にも関わらず、その資料の幾つかを提供までして頂き、感謝感激でした。

話が一巡したところで、「蔵書をお見せ頂きたいです」と申し出ると、快く奇術書を保管されている部屋に案内して下さった。10畳程の部屋の四つの壁の床から天井近くに掛け、隙間なく、びっしりと、そしてきちんと書棚に縦に並べられた奇術書が収納されているのを拝見。奇術界報などの冊子類を含めると~1万冊近くあるのではと思われる程。貴重な奇術書庫に加わったのが…かの一冊なのだと思うと、誇らしい思いもしました。村越さんは、昭和30年代に早くも「鳩出し」に取組まれ、初代引田天功師の初期の道具造りに関わったそうです。

※写真は上から…
① 引田天功師と村越邦雄氏のツーショット ② 頂戴したファンカード
③ 高木重朗氏業績研究に含めていない訳本(ユニコン発行。出版年不詳)

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# by ishiken55 | 2018-09-24 14:50 | マジック エッセイ | Trackback | Comments(0)

阿部徳蔵の魔術小説集(三冊)が復刻本にて蘇生!

阿部徳蔵…と云っても、この名前を知る人は、1万人に1人居るかどうか。またマジック(奇術)を趣味にされている方だけに限っても、1%ぐらい位しか居ないのではないかと推測。最近この人物の魔術小説集が三冊、復刻本として発行されたことを、高名な詩人の研究を本業とされている芸術学の博士からお教え頂いた。早々発行元に連絡をし、一昨日代金を振り込んだところ、昨日の午前中に現品がレターパックで送られて来た。

"阿部徳蔵 魔術小説集”と冠された本は「水晶凝視と犬」,「未亡人の妖術」,「明暗屏風」のB5版三冊。表紙には怪しげな図やロマンチックな図が描かれた170~180ページの本。一昨年所属マジッククラブ(TAMC)で作成の「阿部徳蔵氏の業績研究」の編集を担った身として、さして売れそうにない戦前の小説を復刻された事への讃辞の思いからの即購。読了時に感想を書こうと思う。因みに発行者は 素天堂 で、値段は各千円也。

※表は阿部徳蔵の年譜(昭和6年の緑線~犯罪公論に「水晶凝視と犬」が掲載)
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# by ishiken55 | 2018-09-12 15:44 | マジック ニュース | Trackback | Comments(0)

ダブルカットは No Good 技法なのか!?

8月18日の土曜日はマジッククラブ(TAMC)の研修会でした。今回の講師は、前半が私のウォンド、後半がMさんのカードマジックでした。所属するマジッククラブには、現会長を始め、カードマジックの達人と云える会員は、片手では零れてしまい、両手でやっと収まる程で、勿論私などは両手から零れています。そして今回カードマジックを講習されたMさんは十指の中の主要なお一人。

さて、Mさんが講習されたカードマジックは講習を受けた者だけの財産につき、ここでは公表は出来ません。ただ…講習の中で云われたあることに私は強い衝撃を受けました。それは「ダブルカットはNG技法!」と云われたことです。その場に居たカードマジック十指のお一人Sさんも、その事に相槌を打ち、「それは考案したバーノン自身も認めています」と云われました。

Mさんによると、ダブルカットは動作が不自然で、客は目に見えなくても演者が何か小細工をしたと感じるとのこと。それには私も同意します。では改良形のダブルカットはどうするかと云うと、親指側でブレイクをした右手のデックを、左手で下の部分を取り上方に置くのではなく、通常のカットと同じように右手の人差し指でデックを分けて取上げて上に重ね、2回目はブレイクの箇所で分け右手で上に重ねるとのこと。正に通常のカッタと同じ動作でブレイクの箇所をトップにコントロールする自然な動作の技法(やり方)でした。

ダブルカットがバーノンにより考案されたことで、パスの必要性が無くなったとの説明を受けたその昔。何か不自然さを感じつつも効果の偉大さの前に平伏していた50有余年でした。それは十数年前迄の40年近く、不自然さを感じつつも、現象の素晴らしさに惹かれ演じ続けて来たマルローのフォアエースでしたが、氣賀康夫氏が出版されたカードマジックの本で、4枚のカードを変則的に置くのではなく、スクエアに置いた後に下段を上方に移動して一列にする~との改案を知った時と同様の驚きと感動が、改ダブルカットにありました。
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そこで、現在のカードマジック書では、ダブルカットはどのように表現されているのか、調べてみました。私が最初に学んだ60年以上前の著書「トランプの不思議」にはダブルカットの記載があります。初版が35年前の「カードマジック事典」と33年前の「カードマジック入門事典」は、共に前書と同じ表記でした。因みに、インターネットでダブルカットを入力して調べてみましたが、若い方の記事や映像が多く、検索した範囲では、ダブルカットは皆左手で下から上にカードを2回に分け回し込むと云うバーノンのやり方でした。
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もう一冊調べなければならない本はテンヨー社発行の加藤英夫氏著『新版 ラリー・ジェニングスのカードマジック入門』でしたが、手元に無かったので、作日私の奇術蔵書を置いている舎宅に行った折に持ち帰り、先程ダブルカットの解説箇所を読んだところです。この本の29ページに通常のダブルカットの解説文の後に、“備考”に下記ことが記されていました。
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…ダイ・バーノンが日本に来たときにこういいました。「私の最大のミスは、ダブルカットを世の中に発表したことです。」その後には著者・加藤英夫氏の補足の文章が記載されておりますが、バーノン自身がダブルカットを否定してことが窺えます。そして、ここには対案は書かれておりませんでした。Mさんが解説をされた自然な動作のやり方を、国内に広めて欲しいと思うと共に、益々出所を知りたくなりました。

注)2図は高木重朗氏著「トランプの不思議」より転載、描画は小野坂東氏。
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# by ishiken55 | 2018-08-27 08:58 | カード レクチャー | Trackback | Comments(0)

酷暑の中~今年もTAMC平塚合宿研修会に参加

先週の土日(7/21.22)に掛けて、マジッククラブ(TAMC)の平塚合宿研修会に参加しました。今迄にも暑い日の開催がありましたが、今回が一番の猛暑日に遭遇したように思います。それでも、平塚駅から開催場所の横浜ゴムのセミナーハウスまで20分程を歩いて現地入り。途中の道端に『高山樗牛遺跡』があることに初めて気付きました。読んだ樗牛作品は「滝口入道」しかありませんが、"一目惚れの悲劇の物語"は、心の奥底に強く残っています。

今年の研修会、全体研修は氣賀康夫会長による名作『お椀と玉』でした。懇親会の後の分科会は小永井さんの『袋卵』、そして翌朝の分科会は田澤さんの『お札の変化』を受講。何れも構成が確りとした作品につき、レパートリーにしたい思いです。『お椀と玉』は1972年に高木重朗氏の原解説を氣賀氏が英訳し、米国でレクチャーノートを発行。その事は1972年のGenii誌V36-4に記されています。現在は「高木重朗の不思議な世界」にも解説有。

懇親会の後は、懇親会と云う分科会もあり、これは所謂飲み会の二次会で、自分は懇親会でお酒を飲んだ後にマジックの研修を受けても身に入らないため、毎回これに参加していました。ただ…飲み過ぎてメガネを壊したこともあり、また昨年は自力で立てない程に酩酊しIさんが部屋に担いで行って貰ったり~問題を自覚(?)し、今回は本懇親会のみでお酒は打ち止め。翌朝は5時に目覚め、早朝に袖ケ浜海岸を爽やかな気分で散歩をして来ました。

帰路もJR平塚駅迄歩き、籠原行の快速に乗ったら、横浜を過ぎると次はいつもの川崎ではなく、武蔵小杉とのアナウンス。その列車は新宿に向かっている事に遅れ馳せながら気付き、次の西大井で下車。駅の表示を見ると横須賀線でもあり、東京へ向かう電車が来るとの告知。マジッククラブの例会でお馴染みの新橋で降りて常磐線に乗換え、勝手知ったるローカル線に乗ることが出来ました。最後に少々バカをやってしまった平塚合宿研修会でした。
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# by ishiken55 | 2018-07-28 15:40 | マジック ニュース | Trackback | Comments(0)

『奇術の宴5』を観に西荻ターニングへ

先週の土曜日(6/30)はカズ・カタヤマ師(片山工房)主催の『奇術の宴5』を観に西荻ターニングに行きました。今年の4月11日にTSUKASAさんとの定例?飲み会にカズさんが参加下さり、ラーメン&居酒屋で歓談をするも…その日私は携帯を地元で紛失、私が早めに辞した後にカズさんもスマホを紛失するという、二人に取っては災難の日でありました。(二人共、現品は無事帰還)

カズ・カタヤマ師は自主企画のイベントを種々催されているのを知り、その一つが「奇術の宴」でした。今回は、シニアマジシャンの憧れ“ゆみさん”がスペシャルゲストとの事で【昼の部】の申し込みをした次第です。梅雨が明け、焼け付くような日差しの西荻窪の駅に降り立ったのは午後1時。開場30分前につき、ゆっくりと街並みを進むも…着順二番手の上客となりました。

次々と入場されるお客さん、客席は70程でしょうか…そのお顔に友人・知人は見当たりません。結局知人はステージ上の“カズさん”と“ゆみさん”だけでありました。東京都杉並区では、如何に自分が茨城村の田舎者であるかを自覚させられました。ショーが終り、西荻窪駅の改札口に着くと【夜の部】に来場される濱谷さんのお顔に接し、ホッとしました。

イントロが長くなってしまいましたが、今回は有料&プロ演者中心のショーにつき、観賞した印象を隠さず?記させて頂きます。なおカズさんはMCをご担当。
<第一部>
・五十嵐ひとみさん
ダンサー出身とのことで、体全体がチャーミング。紺の衣装の前半は巻筒を使ったシルクマジック等~テンポが良く楽しい気持ちに。後半はブルーの衣装でボールマジック~カズさんのご指導が行き届いた演技は見応えアリ。これは自身の勝手な思いですが…終盤まで種玉を使わない私のボール演技のようにしたら、独創的なボール演者になるような気が…。
・真優さん
十年振りに復帰されたそうで、確かに以前テレビで拝見したような~。今回は黒の衣装で赤のシンブルをメインにした妖艶な演技。カズさんのご指導の下、更にステップアップされますよう…。
・MASAYOさん
釜山FISMの演技をご披露。既に1週間ほどに迫った大会。基本はロープマジックですが、無駄のない動作による迫力のある演技は観客を魅了。イントロの白いシルクがロープに変化するのは印象に残ったし、衣装替わりからのラストの演技は素晴らしい。気になったのは、ロングのロープの箇所が先を読めてしまう点。そこだけが審査員の評価が気になる。
・一太郎さん(ゲスト)
二枚目俳優のようなお顔とビシッと決めたタキシード姿。何を演じられるのかと思ったら、頓智が効いたユーモアマジックの数々。後に残るはマープルチョコレートのみ~?
<第二部>
・ゆみさん(スペシャルゲスト)
紺の浴衣で登場され、ゾンビボール風のアクト(考えたら玉を見ていない)から六枚シルクへ。シルクは自分で染められた控えめな色合い、大きさは小振りで…独自のストーリー。しつけ糸の復活。これらはプロではない~ゆみさんだからこそ演じられるしっとりとしたマジック。

カズさんとのトークを挟んで、緑の衣装で登場され、2,000年のFISMリスボン大会で受賞された演技をご披露。最初は映像で、次はステージで拝見していますが、今回は間近で観させて頂き、素敵な表情から繰り出されるマジックの演技に~うっとりと! 17年経っても全く色褪せない素晴らしいマジックに浸った一瞬でした。
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# by ishiken55 | 2018-07-03 14:23 | マジック ニュース | Trackback | Comments(0)

火を使わない「真田紐の焼継ぎ」にチャレンジ

昨秋マジッククラブの例会時に、会員のMさんから坂本芳彦氏の遺品の「真田紐」を譲って頂いた。坂本芳彦氏は私のクラブ入会時に幹事長を務められていて紹介者にもなって貰い、その後も色々と目を掛けて下さった方だったが、今から5,6年前に私が1年以上もクラブを休んでいた間に逝去され、葬儀にも参列出来なかった。そんなことから、Mさんの道具提供の話を聴き、芳彦さんが所有されていた道具を使って発表会で演じ、お礼とご供養をしようと咄嗟に考え、手を挙げてその品をゲットした次第。

真田紐を使った手品は、その昔定期購読をしていた季刊雑誌『奇術研究47号(昭和42年12月刊)』に高木重朗氏による「真田紐の焼継ぎ」が解説されていたのが最初の出逢いであった。ただ、その時は紙面であり、作品の印象はそれ程強くは無かったように思う。実際の演技を生で観たのはその翌年で、プロデビューして間もない新進気鋭の奇術師・北海マキさんであった。チャイナドレスの女性後見を伴い、中華蒸籠・チャイニーズステッキ・真田紐を組み合せた演技はスピーディーで、見事であった。

それから50年が経ち…今回真田紐にチャレンジするに当たり、『奇術研究47号』を再読。最初の「真田紐の両端を縫い合わせて輪にします。」の一句からして、「そんな事出来ないよ!」とお手上げ状態。他に解説書は無いものかとネットで検索したら、麦谷眞里氏の著書『クラシックマジック入門事典』に真田紐の解説が掲載されていることが判明。しかし手持ちにその本が無く、5年前に撮った市立図書館の手品コーナーの写真をチェックするも該当の本はそこに無く、ダメ元で図書館へ直行する事に~。

図書館に到着し、即手品コーナーをチェックすると、『クラシックマジック入門事典』が保管されていて、思わずニッコリ。当市の図書館は、自分に取っては“第三のマジック書庫”との思いを再確認し、したり顔で真田紐の解説を読み下す。いやいや…この本は“入門”が付されているが、この本の解説文で未知のマジックを習得するのは困難。対象作品をある程度経験を持った人が、学習するには良い本と位置付けられると判断。故に私のような未経験者には、タネの作り方からして、詳細を知る事叶わず!

<追伸>
冊子『高木重朗氏の業績研究』の編集者を務めたことから、今まで交流が無かったマジック研究家の方からもメールや手紙を頂戴する機会が増えました。麦谷眞里氏はプロフィールによると高木重朗氏との深い関わりを持たれた方のようですので、今後何処で交流する機会があるか分かりません。矢鱈な言動は慎まなければならないと~品行方正の好青年ならぬ好老年(?)に徹しております。そんな訳で、火を使わない「真田紐の焼継ぎ」は、悪戦苦闘の日々が続いています。
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# by ishiken55 | 2018-06-24 10:48 | マジック グッズ | Trackback | Comments(0)

5月終盤のマジック行動

このところ記事にするようなマジックネタが少なく、心の余裕も無いため、5月は月一の記事のみになってしまいました。一応5月末に有ったマジック行動二つについて、備忘録を兼ねて書き連ねておく事にします。

5月26日(土)は地元でささやかなステージマジックを披露
午前9時半に、昨年知己となった同年のマジック仲間タッキー・モーさんが迎えに来られて、タッキーさんの地元・刈谷自治会館を訪れ、文化祭のアトラクションでマジックを演じました。二人で20分との事で、7分と13分に振り分けましたが、実際の二人の合計演技時間は25分でした。予定時間を5分オーバーしましたが、後の演者の準備が遅れていたそうで、スタッフにお叱りを受けることなく、無事終了。
二人の演目は…
タッキー氏は…紙筒からのシルク、フォーナイトメア-ズ、3本リング
いしけん拝は…縦笛ウォンド、ファンカード、リングとロープ、神田祭

私が地元でマジックをお見せするのは三回目。最初は7年前の4月震災直後にカードマジッククラブが開催した生涯学習センターでの発表会。二回目は2年前の2月腎臓がんの手術直後に依頼があった女化子供会でのTAMCボランティア出演でした。タッキーさんとは5回ほど交流会を持ちましたが、お互いマジックを人前で演じる姿を見るのは今日が初めてでした。二人の演技の写真は、知人のNさんに写して貰いました。姿がボケているところが、掲載するに当たり何ともありがたく~。

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5月27日(日)はTAMCの「家族会マジック発表会」で冊子を頒布
この日、東京のマジッククラブ(TAMC)の「家族会マジック発表会」がアルカディア市ヶ谷で開催されました。四部屋にて各12人により同時進行で演じられる約2時間のサロン&テーブルマジックは、お客様が演者の至近距離でマジックを見られ、同じマジックでも、ステージとは異なる親しみを味わえる発表会です。

昨年は、直前に親族が他界し、その事後対応で行ける状態では無く、この発表会を欠席しました。今年は演じるべき新演目の取組みが出来ず、2年連続で出演しないことに相成りました。それでも今年は冊子の頒布を行うべく、40冊をキャリーバックに詰め込み現地入り。この発表会のお客さんは二百名程。また会員のご家族・知人が主体につき、マジックを趣味にされている方は観客の1割程と推測され、冊子をお求めになる方は限定的とは思っていましたが、未配布だった会員分を含め約半分を配布及び頒布出来ました。ただ、出演者の演技が観られず残念!!

※再度の告知となりますが、TAMCの研究委員会で編集をしました…
冊子『高木重朗氏の業績研究』を1,500円(送料込み)で頒布をしております。ご所望の方がおられましたら、非公開コメントでお知らせください。
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# by ishiken55 | 2018-06-02 17:59 | マジック ニュース | Trackback | Comments(2)