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“いしけん”のカードマジック 「4A・ルーティン」

カードマジックはクロースアップマジックの主役です。私はカードマジックがスムースに演じられ、観客にはバラエティに富んだものを十分に楽しんで貰えるように、ストーリー性を持ったセクション・ルーティンを創っています。そして、その集合プロットをはがきサイズの“シート”にまとめ、演じるときの台本にしています。そのセクション・ルーティンは演じる順から
イントロダクション、フォアエース(4A)、カード当て、アラカルト、種明かし
の五つから構成されています。通常は「カード当て」までを演じますが、その場の状況で他のセクションを付加します。また演じる時間に応じて各セクション・ルーティンのいくつかのパートを、その場の判断で省いて演じるようにしています。
2月19日に「イントロダクション」については紹介しましたので、今回は「フォアエース(4A)」について、私のセクション・ルーティンを紹介します。

<“いしけん”の4A・ルーティン>・・(作者と出典先を記載)
①フォア・オブ・ア・カインド (ダイ・バーノン、奇術研究17号)
 又は高木重朗の4A (奇術研究57号)
②エドワード・マルローの4A (出典先不明、ご存知の方はご教示ください)
③マックス・カーツの4A (奇術研究17号)
④片腕の賭博師 (ダイ・バーノン、力書房ホーカス・ポーカスシリーズ)
⑤エースのカラーチェンジ (3月5日の記事参照)
⑥ひっくり返るエース (トップマジック)…但しこの作品はパスすることが多い
⑦Aスーツ (荘神社 最新カードマジック徹底解説)

皆さんも一度このルーティンの順番に沿って演じてみてください。そうすると、ルーティンのコンセプトが見えてくると思います。①をダブル選定にしているのは「フォア・オブ・ア・カインド」がセットを要するので、状況によっては演じることが困難となるからです。また、このパートを新しい作品「エース(キング)の出現~」(緒川集人師がよく演じているもの)などを取り入れてもよいかと思います。また特別サービスとして、このルーティンの中の③「マックス・カーツの4A」を演じるときの極上のアイディアを“ちいさいマジックのおうち”に来ていただいた方だけに、こっそり教えることにします。

<マックス・カーツの4Aのアイディアとは・・・>
“いしけん”のカードマジック 「4A・ルーティン」_c0049409_9134321.jpg
客にパケットを選択して貰うべくカードを配るとき、一列にせずに五つ目のパケットは一枚目の下に置きます。(上の写真は演者側から見たカードの位置を示す)
このアイディアは、②の演目との違和感を感じさせず、且つ選択者の心理を巧みに利用した優れた方法です。(このアイディアを提唱したのは、二年後輩のW.アキノリ君です。この人は破天荒なところがあり、マジックに対しては天才肌だったのですが、残念なことに、一年間の休止期間を除くと僅か二年でマジックの世界からドロップアウトしてしまいました)

*解説した「4Aルーティン」の構成作品は、難しいテクニックを必要とするものは含まれていません。これを叩き台にして、新しい作品やハイ・テクニック作品を取り入れた、あなたの「4A・ルーティン」の構築にチャレンジしてみてください。
by ishiken55 | 2005-03-26 09:21 | カード レクチャー | Trackback | Comments(0)
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