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半分のカードから

半分のカードから_c0049409_2052719.jpg東京堂出版の高木重朗氏著『カードマジック』の中に、2分割のカードを用いた作品ニック・トロストの一致する半分のカード」が掲載されているのは、スルーに近いながら記憶の端に残ってはいたのですが…1年半前に所属クラブの方のレクチャーでこの作品に触れ、通常のカードの一致よりインパクトが数段強く感じました。その時ハサミで切ったカードを家に持って帰った事を思い出し、探したら現品が出て来ました。これなら11人分がダイソーのジャンボカード2組で製作可能だと~ほくそ笑む。

今月のカードマジッククラブの“おまけグッズ”「色変りボールペン」だったのですが、原価は大したことはないものの、工程上インクが詰まった部分をカットしなければならず、手にインクがべっとり付着し、それを落とすのに一週間を要し往生しました。製作前は容易に思えても、手ごわい場合があるので油断はなりません。今回は最初にダミー用カードをハンドカッターで正確な寸法に切り、それを当て紙にして順次グッズ用カードを大型ハサミで裁断する算段。

半分のカードから_c0049409_20144525.jpgこのセルフワーキング作品~6×2=12枚がベストなのだろうかもう少しシンプルな手順に出来ないのだろうか類似作品はないのだろうかなどと想いが巡り、頭を捻り、手持ちのカードマジック書の棚を、“こませ”を撒き散らせつつあれこれ探ってみましたが、釣果は皆無。そんな最中、テンヨーの邦訳本『ターベルコース』が絶版になったことを知り、書物によるマジック習得時代の終焉の象徴のように思え、複雑な思いに・・・。
≪追伸≫
私の「半分のカード」の調査は、江戸300藩に例えれば、徳川御三家‐水戸藩(35万石)のみを徘徊した程度であり、それなりの作品が世上に存在するものと推測されます。一例として、著者ご本人から教えて戴いたのですがPHPエル新書の中島弘幸氏著『大人のマジック』にはAldo Colombini 原案の「偶然の一致」が掲載されているのを知りました。この原理を流用、カードを2枚増やして「新8スーツ」にならないかと、好物の水戸だるま納豆を練り回し中です。

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by ishiken55 | 2010-01-31 20:27 | マジック エッセイ | Trackback | Comments(0)
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