3月3日の日本経済新聞文化欄に、マジシャン仲間の鈴木眞弓氏の文章が掲載されているとの事で、その記事を読ませて頂いた。マジック絡み?…と思ったら、有職故実(ゆうそくこじつ)についてのお話。有職故実とは~
朝廷や武家の礼式、官職、法令、装束などに由来する古来のしきたり~を指すそうで自分には初耳の言葉。鈴木さんの父上鈴木敬三氏(1913-1992)は有職故実の研究家であり、「国史大辞典」の執筆を手がけた人物だそうだ。
昨秋、半世紀振りに著書
「初期絵巻物の風物詩的研究」(吉川弘文館)が再出版されたとの事。氏は某書陵部に在籍、父君の意志を継承されて来られた。政治家の継承には怒りさえ覚えるが、学問のリレーは清々しい。
同日、プロマジシャンの上口龍生氏とご一緒に歓談をさせて頂いた坂本圭史氏は、アマチュアマジック草創期のお一人~坂本種芳氏(1898-1988)のご子息である。種芳氏はエンジニアとしても名を成した方だが、圭史氏は小売業界で重責を担われた。しかし、趣味については種芳氏を継承され、アマチュアマジシャンとして半世紀以上に亘り活動に携わって来られた。
その坂本氏から、種芳氏と圭史氏お二人の著書
「超能力現象のカラクリ」を署名入りで贈呈される厚情に浴す。この本の初版は種芳翁が他界されて間もない平成2年(1990年)。親子二代での趣味の世界の共著を羨ましく思うのは、奇術愛好家として必然の事。同好者のために再刊を望みたい。