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カードマジック…名作の旅から

カードマジック…名作の旅から_c0049409_14581.jpg≪Card Magic Item≫
・Out of This World (作者;Paul Curry)
・The All Backs (作者;Dai Vernon)
・Oil and Water (作者;Edward Marlo)
・Three Cards Monte Routine (Endfield/Vernon他)
・Everywhere and Nowhere (作者;J.N.Hofzinser)
・Aces Opener (Frank Garcia/Larry Jennings 他)

上記を見て、カードマジックの愛好家なら名作揃いであることがお判りでしょう。でも作者名が書かれた作品を原作通りに演じている方は余りおられないのでは?

それは、独創性のある名作である事は認めていても、作品中にワンポイントのみ不自然な箇所があったり、一部の動作にテクニック上の困難さがあったりするためと思います。例えば、≪Out of This World≫で「何故途中で赤と黒のカードを入れ替えるの?」とお客に言われたら、生真面目なマジシャンは返す言葉に詰まります。

このリストは、昨年所属クラブ内で氣賀康夫氏にカードマジックの特別講習をして頂いた作品です。そして原作をそのままレクチャーされたのではなく、不自然さや困難さを解消した氣賀先生の改案に基づく作品でした。内容を公表出来ないのが残念ですが、「著名な古い絵画が最新の補修テクノにより現代の名画として蘇るような~」と言っても過言ではありません。

三番目に記載のバーノンの名作「オールバック」の改案は、東京堂出版から刊行の氣賀先生の著書『ステップアップ・カードマジック』に詳しく解説されていますので、ご参照ください。尚、原作は『Expert Card Technique』の第3版に掲載されていましたが、バーノンと編者ヒュガードとの確執により削除され、現在販売されている洋書には載っておりません。

T氏;「ところで、これらの名作に触れ、自分のレパートリーに加えられたの?」
K氏;「名作への旅は詩や曲と同様、触れる事に価値あり!」と苦し紛れの愚答。

by ishiken55 | 2010-03-15 14:37 | マジック エッセイ | Trackback | Comments(0)
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