先月のマジッククラブの例会に、日本のマジック界の重鎮のお一人である小野坂東氏が来会された。自分がマジックを始めた昭和四十年ごろ高木重朗氏によるマジック解説のイラストの殆どは小野坂東氏が書いておられ、当時からそのお名前は存じ上げていた。最近はご自分の執筆による翻訳書を多数出版されているので、若いマジシャンもその書籍の数点はお持ちなのだと推測する。そのトンさんが例会でさりげなく言われた言葉が今も耳に残っている。
・アマチュアマジシャンは、上手に演じるより、楽しむことを大事にしてほしい。
・カードマジックの8割方は、パズルと言ってもよいかと思う。(技量は2割?)
その後ロンドンマジックサークルの話や結び目が移動するロープマジックなどをお見せいただいた。また、その日はある方のご好意で昭和56年から平成元年に掛けて発行されたマジック雑誌「不思議」全18冊をお譲りいただいた日でもあった。この雑誌が出版されていた頃はマジックから一番遠ざかっていたこともあって一冊も所有していない雑誌であった。現在少しずつページを捲るのが日課となっている。なお、「不思議」の発行はマジックマガジン社、編集者は小野坂東氏である。トンさんにはいつまでもお元気でいて欲しい。