今回はタバコの“タンギング”についてお話します。“タンギング”という技法名が、マジックの世界で公知のものなのかどうかは、実はよく知りません。呼名はさて置き、私がこの技法をタバコのマジックに取り入れてから、彼此三十七年近くになるでしょうか。“タンギング”を説明するに当たり困ったことがあります。それは写真で技法の説明をしようとすると顔が写ってしまうことです。“いしけん”の顔をアップで晒すのは、訪問客の夢を削ぐことになり兼ねないし、私自身も巷を歩けなくなりますので、思い止まることにしました。
<タンギングのポイント> ◆タバコは長い方が見栄えはしますが、6.5cm(生のロングサイズは8.5cm)が限度です。火の付いたタバコの演技を行なって、適度の長さになってから演じるようにしましょう。 ◆タバコの保持は舌で反り上げて浮かします。顔の表情はあくまでも自然に。口内に触って火傷をしても慌ててはいけません。少々触ったのみでは火は消えません。落ち着いて演技を続けましょう。(口中の火傷は一週間もすれば大方直ります。) ◆得意になって“タンギング”を何回も繰り返すのは慎みましょう。回数が多いと嫌味になりますので3回以内に留めましょう。寧ろ保持時間に2~5秒の変化を付けるようにします。 ◆口に取り込む時、及び口から取り出す時~の右手のタイミングと仕種が重要です。鏡を見て研究してください。 ps この技法を初めて観たのは、昭和41年11月に早稲田大学の学園祭で行なわれた“早稲田マジッククラブ”主催「奇術の夕べ」の中で、瀬島さんという方の“たばこ”の演技でした。この方は、3cm程の短いタバコを使用していましたが、初めて観るアクションでしたので、とても新鮮に感じました。この発表会は、文学部181教室という学内のため、“慶應の発表会のような豪華さ”はなかったものの、ベーシックな演目に見所があって、レベルの高さを感じたステージであったように記憶しています。残念ながら早稲田のマジックショーは、その後観る機会がないのですが、今もマジッククラブは活躍されているようです。 (当時の「奇術研究」に度々寄稿されていた松田秀次郎氏は、早稲田の法学部教授で早稲田マジッククラブの会長でした。指導者がいなかった当方のクラブとしては、羨ましく思ったものです。) その翌日から、鏡を前にこの“タンギング”の技法習得に取り組みました。それでも実演に耐えるレベルになるには二年程かかったでしょうか。ただし、この“タンギング”は、あまり品のよい技法ではありませんので、プライベートな場所では数多く演じてきましたが、“公的?なステージ”では演じないことにしています。 ![]() その一つが「HB」というドイツ製のタバコです。 そう言えば、就職祝いにマジッククラブの後輩達が、プリンスの「ライター」にドイツ製のシガレット「ゲルベゾルテ」を付けてプレゼントしてくれた遠い昔のことを思い出してしまいました。
by ishiken55
| 2005-07-21 22:41
| タバコ レクチャー
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