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W君の 「5枚のカード」

昭和41(1966年)の初夏のことですから、もう41年前のことになるでしょうか。2才年下のW君が、ミリオンカードの中の一節「5枚のカード」を試演したときのことです。

5枚目のカードは・・・
「掌の表を見せて~掌の裏を検め~また表に返してから、徐にカードを取り出す」
というのが当時の解説書の手順だったのですが、W君の5枚目のカードは・・・
「掌の表を見せて~掌の裏を検め~また表に返すときに、バシッとカードを出現」
させたのです。

ということは、通常よりワン・ショット少ないのです。たったそれだけのことなのですが、それがとても新鮮に映り、感動した記憶が今も残っています。
今日は、その時W君が演じた5枚目のカードの出現手法を掲載することにします。

<前アクション>
4枚目のカードを左手に渡すとき、左手の3枚のファンの裏に隠していた5枚目のカードを、右手にバックパームしてしまいます。 [写真 上]
(ただし、そのカードの向きは掌側がフェイスとなるようにします。そうするには3枚目を左手に渡す時、5枚目となるカードを左手にシフトする方法に秘密があるのですが、解説文が長くなってしまうので省略します。ご想像くだされたく・・)

<本アクション>
①右手の掌を客に向け、何も無いことを示します。 [写真 中上]

②右手の掌を返し、裏にも何も無いことを示します。 [写真 中下]
(これはミリオンカードの基本ですから、説明の必要はないでしょう)

③右手の掌を客側に戻すとき、右手の親指をパームしているカードのフェイス側に当て、押し上げるようにして5枚目のカードを表向きで出現させます。 [写真 下]
(右手の親指を深く挿入し、カードが高い位置で出現するようにします)

*これは紛れもなく当時W君自身で考えた手法ですが、私は後年ミリオンカードのステージで同じようなやり方でカードを出現させる演者人を観たことがあります。
この手法はチョットした“思いつき”ですので、同じことを考える人がおられても不思議ではありません。マジックは些細なアイディアがオリジナリティを生み出すという例として、今回この手法を掲載した次第であります。
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by ishiken55 | 2007-07-09 22:13 | 色々 レクチャー | Trackback | Comments(0)

「簡単な “ワン・コイン・ルーティン” 2006」

昨年の5月21日に[“いしけん”の「ワン・コイン・ルーティン」]を掲載しました。
私の「コインマジック」の経歴は“春の小川”程度しかありません。そして私と同様に“コインマジックの浅瀬”に佇む方々に、「五百円硬貨1枚」でコインマジックを気軽に楽しく演じて戴きたいと思い、公表したのが上記の作品でした。
今年に入り、その「ワン・コイン・ルーティン」に、簡単でありながら洒落た現象のワン・ステップを追加しました。それを、2006年版として紹介することに致します。

<追加のステップ>
*コインを右手にバーティカル・ポジションで持ち、客に示します。
*左手で右手のコインを取り、左方向に移動します。 [写真参照]
(この時、実際には左手にコインを取らずに左手小指の側面でコインを回し下げ、右手の三指でホールドしてしまいます)
*左手を開き、コインが消えていることを示します。
*右手を前方に移動して掌を開き、コインが右手に移動しているこを示します。

<ルーティンの全体ステップ>
① 左手の下膊(肘と手首の間)内側へコインを摺り込むと~下膊の外側へ張り付いて出現。このステップがルーティンの中で一番の見せ所です。[サムパーム使用]
(訂正&お詫び;‘05.05.21のこの箇所の写真が、下膊の内側と外側が逆になっていました。下膊の内側に摺り込むとコインが消え、右手を外側に当ててから、左手を手前から回し込んで、下膊の外側を上向きにリバースするようにします)
② 右手のコインを左手で取り、左手を開くとコインが消失、右手を開いてもコインは無く、再度右手でパッチンをして左拳を指し示すとコインが出現。[フレンチドロップ&ムーブ使用]
③ <今回の追加のステップ>
④ 左右の掌に落し込みを数回行ってから左手にコインを握ると消失し、右手の指先に出現。[掌の反動を利用、若者に人気のマッスルパスの簡易代替法とも言えます]

■ 今回の追加のステップは、昨年ある方が演じているのをチラリと見たのがキッカケで、取り入れました。クラシックマジック書では、この技法を見たことはありませんでしたので、最近の“コインマジック書”をチェックしてみました。
「コインマジック辞典」~「見せますコインマジックショー」~「テクニカルなコインマジック講座」~「最新コインマジック徹底解説!」~中々出会えません。
そして最後の「世界のコインマジック」で、やっと類似の技法に出会えたのです。
それは・・『ラムゼイ・バニッシュ』・・少々異なりますが、類似した技法です。
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by ishiken55 | 2006-07-11 22:43 | 色々 レクチャー | Trackback | Comments(0)

「カップと玉」 の一幕

3ボールの「カップと玉」に魅力を感じ始めてから、それへの拘りが日々強くなっています。
そして・・あちこちから“摘み食い”をして、短いルーティンを創ってみました。
自分自身のために“3ボールC&B”のデビュー作として記載しておくことにします。

<道具>
カップ ; 3個 (2つ重ね迄につき、カップ間のスペースが少ないものでもOK)
ボール; 3個 (カップの大きさとのバランスが重要。素材と色はお好みで・・)
<準備>
*さりげなく両手を開き、3個のカップと3個の玉を客に示す。
*3個のカップを一列に伏せて置き、その上に1個ずつ玉を置く。 [写真 上]
(カップは演者から見て、左よりA B Cと呼称。棒の使用は演技スタイルで判断)
<アクション>
 ステップ 1
① 右手でカップAを傾け左掌に玉を落とす。(B,Cで右手にパームした玉を秘入)
② 右手で玉を取り、フレンチ・ドロップ(又はフェイク・パス)で左手に渡す。
③ カップAの上で投げ込む動作の後、左掌を上に向け玉が消えていることを示す。
④ カップB,Cで、①~③と同様のアクションを行う。 [写真 中]
⑤ カップC、B、Aの順番でカップを倒し、玉が元に戻っていることを示す。
  (カップAのときは、パームした玉をカップに秘入しながら倒す)
 ステップ 2
① カップCに玉を放り込み、カップを伏せる。
② カップB,Aも同様に玉を放り込みカップを伏せる。(Bはパーム、Cは2個入れ)
③ カップCを取り上げ、玉が確かにあることを示す。
④ Cの玉をカップAに乗せ、その上にカップCを被せ軽く叩く。
  2カップを持ち上げて2個の玉を示す。(玉1個が貫通)
⑤ カップA(元のC)を2個の玉上に伏せ、カップC(元のA)は右端に倒し置く。
⑥ カップBからAに玉が移る仕草をし、Aを倒し3個の玉を示す。(玉1個が貫通)
⑦ カップBを倒し、確かに玉が移動したことを示す。
 ステップ 3
① 3個のカップを一列に伏せ、その上に1個ずつ玉を置く。(最初と同じ状態)
② カップAの玉を右手で取り、それを左手に渡してから、(実は右手にパーム)
  右手でAを前方に少し倒して、左手の玉を入れ込む。
③ カップB,Cで、②と同様のアクションを行う。
  (ただし、Bでは玉を2個入れ込み、Cでは玉を右手にパーム)
④ 「各カップには玉が1個あります」と客に同意を求め、カップを手で軽く触る。
  (右手でカップBを触った時に、パームしている玉を秘入~ここが一番の難所)
⑤ 左手でカップA,右手でカップCを掴み,カップBに打当ててから元の位置に戻す。
⑥ カップA,Cを一気に倒し、玉が消えていることを示す。
⑦ 右手でカップBを倒し、玉が3個集合したことを示して・・終了。 [写真 下]

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by ishiken55 | 2006-01-17 21:51 | 色々 レクチャー | Trackback | Comments(0)

W君の “コインの消失”

今回の“コインマジック”は、またまた古い話になりますが・・39年前に後輩のW君から教えて貰った簡単な“コインの消失”です。
“一芸”的な作品としても通用しますので、コインマジックをレパートリーにしていない方も、この“コインの消失”をマスターしておくと、必ずや役に立つ時があると思います。

<準備>
*五百円硬貨1枚。(ハーフダラーは本格的奇術のイメージとなるので避けます)
*ジャケットやスーツ等を着ていることが必要です。

<手順>
①客に五百円硬貨を示した後、右手の中指の上に乗せ、硬貨のエッジに親指と人差指を軽く添えます。(この持ち方がポイントです。親指と人差指だけで挟み持つと、このマジックのシークレットの飛ばすイメージが連想されてしまうからです)
②左手を下に向けて手の力を抜きます。
③硬貨を持った右手を左手に近づけて行きます。[写真 上]
④右手の硬貨を左手で握り取る動作を行います。(この時、右手の親指と人差指で硬貨を飛ばして、硬貨を上着の袖の中に入れてしまう)
⑤握った左手の拳を返します。[写真 下]
⑥左手の拳を開いて、硬貨が消失していることを客に示します。
⑦左手を下げると硬貨が袖の中から掌の上に落ちてくるので、客に悟られないよう硬貨を処理します。その硬貨をパームし、別のコイン作品に繋げる事も可能です。

◆このコインマジックと類似した解説が、高木重朗氏著「コインマジック辞典」のスリービングの項にありますので、本書をお持ちの方は参照ください。ただし細かい箇所に差異があると共に、この本が出版される二十年以上前から、この“コインの消失”を演じてきましたので、W君からの継承作品として掲載することにしました。

◆この“おうち”に度々登場するW君は、私と二つ違いの出身クラブの後輩ですが<入学、入部、退部、再入部、留年、退部、退学・・再会>の道を辿った波乱の人でした。そのW君と最後に会った時から、もう二十年以上が経ったでしょうか。それは・・・いつも飄々としたT氏と若くして白髪紳士のO氏の先輩二人、歳を重ねても少年のような一つ違いの後輩のN君、美男子ではないのに何故か女性にモテるW君(このときも接待役に若くてかわいい“奥さんではない女性”を連れていた)、そして私を含めた四人での冬の再会でした・・・

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by ishiken55 | 2005-08-17 06:27 | 色々 レクチャー | Trackback | Comments(3)

“いしけん”の 「ワン・コイン・ルーティン」

「ワン・コイン・ルーティン」と言えば、藤井明さんの作品のように、左右の手によるマッスルパスを組み入れた難易度の高いルーティンがありますが、このような作品は年配になってからマスターするにはハードルが高すぎるように思います。とは言うものの・・・たった一つのコインで観る人を惹きつけることができる「ワン・コイン・ルーティン」は、使う道具のシンプルさから、とても魅力のあるアイテムです。

今回は、難易度の高い技法を使用せずに、ファニーな感じに構成された私の「ワン・コイン・ルーティン」を紹介したいと思います。コインマジックに馴染みのない方でも、少し練習すればマスターできますので、ぜひチャレンジしてみてください。五百円硬貨が一つあれば、“いつでも”、“どこでも”演じられるこのコインマジック、これ一つであなたも“コイン・マジシャン”の仲間入りです。
<道具>
五百円硬貨1枚。(ただし“別法”で演じるときは、ハーフダラーを使用)
<服装>
裸の下膊(肘と手首との間)を使いますので、半袖か、長袖シャツの時はたくし上げられる状態が必要です。(服装が合致しないときは“ステップ1”を省略するか“別法”を適用する)
<手順>
[ステップ1]
c0049409_1219752.jpg① コインを右手に示してから、右手の指先のコインを左下膊の内側に摺り込む仕草を行なう。
(摺込む動作中に、コインをサムパームする)
② 右手を左下膊から離すとコインが消えている。
③ 右手を左下膊の下に移動してから掌を返し、下膊の外側に添える。
(①~③の間は下膊を動かさない。またサムパームしたコインは指先へ移動する)

c0049409_12212297.jpg④ 右手を当てたまま、左下膊全体を内側から少し大げさな仕草で回して裏向きにする。
⑤ 左下膊を回転させたことにより、右手は左下膊の外側に宛がわれている。この右手を、本を開くように掌を返すとコインが現れる。
⑥ 下膊の内側に摺り込んだコインが、外側に“張り付いていた”いうアクションで、右手の指先でコインを引き剥がすようにして取り上げる。

[ステップ2]
c0049409_12214397.jpg① コインを右手にスペルバウンドポジションで持ち、左手にコインを取る動作を行なう。
(このときフレンチドロップを行なう)
② 左手を開き、コインの消失を示す。
③ 左手は内側に返しながら軽く握り、右手は軽く握りを作りながら右上に移動する。
(このアクションの間に右手のコインをドロップさせて左手に移動する)
④ 右手を開きコインがないことを示す。
⑤ 右手でパッチンをしてから指先で左拳を指し示す。
⑥ 左拳を返してから開き、左掌にコインがあることを示す。

[ステップ3]
c0049409_12215731.jpg① 左手を開いたままで、左掌の上にあるコインを半返しで右掌に移す。同様の動作で右掌から左掌に、また左掌から右掌にコインを移す。
② 前と同じ動作で右掌から左掌にコインを移し、左掌のコインを握って甲を上にする。
(この時、左掌に移したコインを左手の指先で右手に弾き返し、右手にフィンガーパームしてしまう)
③ 左手を開きコインが消えていることを示す。
④ 右掌を右上方に上返し、一瞬の間を置いた後、右手を開きコインを出現させる。

[ステップ1の別法] ・・・(準備;右手にコインをクラシックパーム)
① 左掌を開き何もないことを示す。
② 左掌を返しながら握る。(この時、マッスルパスで右手のコインを左手に移動)
③ 左手を元に返して開くとコインが出現する。

④ 右手でコインを取上げ客に示し左手に渡す。(この時リテンションパスを実行)
⑤ 左手を開き、コインが消失していることを示す。
⑥ 右手を左掌の裏側に入れ手を返した後、手を下げると指先にコインが出現する。

<後記>
*解説が長くなってしまいましたが、たった20秒のルーティンです。
*“別法”は、マッスルパスを確りとしたクラシックパームの位置から行なえるので、マッスルパスに自信はないが、トライしてみたいという方に最適と思います。
*“ステップ3”の技法は、奇才の後輩W君が紹介したものと記憶しています。高木氏著「コインマジック辞典」やカウフマン氏著「世界のコインマジック」(共に東京堂出版発行)をチェックしましたが出てきませんでした。(邪道な技法なのかも知れませんが、何しろ40年近く馴染んできた技法なので愛着を持っています)
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by ishiken55 | 2005-05-21 12:38 | 色々 レクチャー | Trackback | Comments(0)

いしけんのコインマジック 「1枚のカードからコイン」

私にとってコインマジックはこの二年間で出会ったものが殆どです。ですから長年の積み重ねによる独創的な創作々品はありませんし、また人に誇れるテクニックも持っていません。その分、今の私に取ってはとても新鮮な演目となっています。

私の学生時代には、あまりコインマジックは流行っていなかったように思います。当時は日本に見栄えのするコインがありませんでしたし、1ドル360円の時代につきマジック用としてドル硬貨を使用するには高価過ぎたのかも知れません。今は五百円硬貨(+十円硬貨)とハーフ$硬貨(+ペニー硬貨)を、演じる場所とそのときの気分で使い分けて使用しています。

カードと組合せたコインマトリックスを演じるに当り、コイン4枚をただポケットから出すのでは面白くありません。カードを用いコイン4枚を取り出しましょう。その4枚目のコインは、1枚のカードのみを使う私がアレンジした簡単でしゃれた方法で出現してみては如何かでしょうか。

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<1枚目のコインの出現>
有名な「マイザース・ミラクル」のイントロ~デック全体を使用し1枚のコインを出現させる。(簡単なやり方は、一般のマジック解説書に「コインの出現」等の題名で書かれています)

<2,3目のコインの出現>
「カードからコイン」(二川滋夫氏著、日本文芸社発行「コイン奇術入門」を参照)で2,3枚目のコインを出現させる。なお、前記の本は残念ながら絶版です。二川氏の数あるコイン本の初期のもので、アカデミックな装丁の本ではありませんが、氏が誠意を込めて書いたことが覗われる名著です。

<4枚目のコインの出現>・・・「1枚のカードからコイン」
①コイン1枚を密かに右手にフィンガーパームし、1枚の裏向きカードの角を、両手の親指と人差指で持つ。(左側の写真を参照)
②指先でカードを一回転させて、検めを行なう。
③左手をカードから離し、掌を返して検めを行なってから元のようにカードの角を持つが、このとき右手のコインをカードの下で、左掌に移してしまう。
④直ちに右手をカードから離し、掌を返して検めを行なった後、人差指と中指を、チョキを閉じた形でカードの下に当てる。
⑤カードに添えた指と共にカードを表向きに返す。一呼吸置き、右手の人差指と中指で押さえていた力を緩め、2本の指の下から1枚のコインを出現させる。(右側の写真を参照)

各パート共コインをパームする迄のアクトが重要です。良い方法をご研究下さい。
タカラ製のおもちゃカメラしか持っておりません故、イマイチの写真~お許しを。ちゃんとしたカメラを買いたいのですが・・田舎住まいなので中々買えません。
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by ishiken55 | 2005-03-12 10:34 | 色々 レクチャー | Trackback | Comments(0)