カテゴリ:カード レクチャー( 44 )

半分のカードを使った『めくり札 と めぐり札』

その日は、学生時代のミニクラス会。都内の和風割烹に、いしけんを含む5人の旧友が顔を揃えました。十年に一度程度集まるメンバーの話題は・・結婚のこと、子供のこと、仕事のこと、親の介護のこと・・と、年代を経る毎に話題が移り変わって来ました。現在は既に皆第一線を退き、子会社の役員をしていたり、関連会社の顧問であったり、趣味を目一杯楽しんいる者もいたりで、色々です。今回の話題は自分達の老後に関することが中心でした。

暫くした頃~「いしけんは今も手品をやってるのかい?」 「ああ、マジックは俺にとって無報酬のライフワークだからね。」 「それじゃ、一つ見せてくれないか!」・・ここで断ったら男が廃るし、バッグから嵩張る道具を出すのは野暮だし・・そこで、いしけんくんは胸の内ポケットから名刺大の薄いソフトケースを取り出しました。「ここに大きめのトランプ5枚を半分に切った10枚のカードがある。これをよく混ぜてから5枚ずつに分け、裏向きにして置いておくよ。」

「さて、Aには子供が2人いたね。Bには3人、Cは俺達で一番多い4人だったかな? Dは一人っ子のケンタ君1人か。俺には子供がいないから、5人で子供の合計は10人だ。日本の子孫繁栄への貢献度は、可もなく不可もなくと云うところだなぁ~。」次に、いしけんは傍らにあった赤と青のボールペンを手に取り、「ここに赤と青のボールペンがある。このキャップを二つの山の脇に置き、山の呼び名にしょう。こちらが赤の山、そしてこちらが青の山だ。」

「それでは子供に一番恵まれたCから、思いつきでいいから、赤又はと子供の人数分云って欲しい。その都度、自分は云われた方の山の上のカードを1枚下に回すからね。それが終わったら、二つの山の上にあるカードを各1枚手渡すけど、そのカードの表はまだまだ見ないで欲しい。」次にCにやったのと同じ動作を、子供の数の順番でB、A、Dにやって貰いました。因みに、Cは赤を4回、Bは青を三回、Aは赤と青を1回ずつ、Dは赤が一回でした。

「こう云う事をお願いすると、人の性格が現れるものなんだ。それを逆手に取るのが手品なんだけどね。今・・赤と青の山には1枚のカードが残っている。これはもう選択の余地は無いので、俺のカードとしよう。“残り物には福がある”そうだけど見てみよう。ほほう、ペアのカードになっているよ。皆もそっと2枚のカードを見て、それが一致してたら、お互い見せあおう。」 「お前、手品の腕上げたなぁ!」 「いや、人の心を掴めるようになっただけさ~?」

c0049409_18415678.jpg これはセルフワーキング作品で古典的な原理を用いています。
ポイントは5枚ずつの山にするところで、如何にも自由に切り混ぜ、二つの山にしたと思わせることです。字を小さくし、下記に秘密のアクトを載せておきます。なお、本文の場面は全てフィクションです。

① 10枚のカードは、5種類のカードであることが分かるように、2段に並べる。
② 一旦、上側下側のカードを順番に集め、それを1つの山にすべく重ね合わせる。
③ 「よく切り混ぜます」と言って、2回ほどヘイモウシャフルをさりげなく行う。
④ 「2つの山に分けます」と言って上から1枚ずつ右手に送り、5枚を数え取る。


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by ishiken55 | 2014-07-24 18:58 | カード レクチャー | Comments(0)

いしけんの<カードハンドリング・改ルーティン>

カードマジックの愛好者が、カード捌きの練習として行うハンドリングについて、私のルーティンを掲載したのが8年前(’05.6.8)のことでした。その後、毎日行う旨を記事で推奨しておきながら、自分自身一年以上もカードを手にしない時期がありました。今年から気を入れ直し、夜半にカードハンドリングを行い、カード捌きのリハビリに日々励んでいます。しかし哀しいかな・・団塊の世代には一旦衰えた伎量は簡単には元に戻らないのが実情です。

また、自分のルーティンをトライしていて、その中に基本技2つと好技1つが含まれていない事に思念。それは一番ポピュラーな切り方ヒンズーシャフルと洋風仕様のオーバーハンドシャフル、芯に真ん丸穴が出来る片手ファンです。そして表と裏の使い方を一部修正し「いしけんの2013カードハンドリング・ルーティン」として構成し直しました。これは自分の備忘録として記しておくのが目的ですが、訪問者の方が参考にしてくだされば幸いです。

c0049409_8512136.jpg① ワンハンド・カット×2回
② ロール・カット(回転パス)
③ 両手でのノーマル・カット
④ アップ・リフルシャフル
⑤ ワンハンド・リフルシャフル
⑥ スタンダード・リフルシャフル
⑦ アンダー・リフルシャフル
⑧ フラッシュ・トス('05.4.29記)
⑨ スプリング(危険無き自動小銃)
⑩ カスケード(日光には華厳の滝)
⑪ ヒンズーシャフル
⑫オーバーハンドシャフル

⑬ 裏向きで両手上のリボンスプレット~閉じ
⑭ 表向きに持ち換えて、⑬と同じアクション
⑮ 左手表向きのデックに右手を添え正ファン~左片手で閉扇
⑯ デックを裏向きにし、⑮と同じアクション
⑰ 中心に真ん丸い穴が出来る片手ファン~左手を下に添えて閉扇
⑱ 裏向きのデックを右手で片手・逆ファン~閉扇
⑲ 裏向きのデックの上半分をパームして・・・
 左手/右手の順で片手・逆ファン~一瞬手を返し戻してからファンを同時に閉扇

※ 今回アクトを3つ追加しましたが、ハンドリングの通し時間は1分半程度です。

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by ishiken55 | 2013-04-14 08:56 | カード レクチャー | Comments(0)

いしけんの“エスカレーターカード”

エド・マルローの名作「エレベーターカード」は、現象のシンプルさ・明快さが自分自身大好きで、新人の方には必ずご教示している作品です。但し三枚のカードをテーブルに置く迄の前段は結構難しさが伴うため、この部分は原作と異なるアクトを適用しています。それに引き換え、カードが移動して出現する後段は、素直に原作通りに演じています。先日ふっと…駅や百貨店にはエレベーター以上に多くのエスカレーターがあるじゃないかと思い、後段のカードの移動機をエスカレーターに変えてみました。至って安易な改案ではありますが、お試しあれ。
≪3の移動≫
デックをリボンスプレッドし、「これはエスカレーターです」と客に告げ、左の3(と思われているカード)を取り上げてボトムに差し入れ、右手人差指で左端から右に向けてエスカレーターで昇る仕草をする。右端に着いたらトップの3を表向きに返し、元の左位置に戻す。
≪2の移動≫
中央の2(と思われているカード)を取り上げてリボンスプレッドのトップに載せ、右手人差指で右端から左に向けてエスカレーターで降る仕草をする。左端に到達したら、左手でリボンスプレッドをリバースさせてボトムの2を示し、それを取り上げて元の中央位置に戻す。
≪Aの移動≫
右のA(と思われているカード)を取り上げて、ここで暫し横道へ逸れるお話へ…
「A君はパワーが有り余っているので、エスカレーターを駆け上がっています。そうそう、エスカレーターの歩行路は関東では左側なのに関西では右側、“郷に入っては郷に従え”です。ところで新お茶の水駅や東京駅の長いエスカレーターを一気に駆け上がる猛者もいますが、このエスカレーターも相当長いので、どうやらA君は息切れし、上昇半ばで右寄りなりました。後はエスカレーターに任せて昇って行くようです」と言って、右手に持ったカードをリボンスプレッドの左端から中央部までは段を駆け上がる動作をし、リボン中央でカードを中に潜り込ませる。その後は3の時と同様の動作を行ってから、トップに上昇したAを開き、元の右位置に戻す。

<前段のアクトを参考に記載しておきます>
①デックを表向きにし、ボトムに3、2、Aの順番でカードを集めて客に示し、4枚目を密かにブレイク。
②広げた3枚のカードを両手で揃え右手で取り上げる時、4枚目のカードをシークレットアディション。
③左手の親指でデックを返しディーリングポジションで持つ。右手は3+1枚をビドルグリップで持つ。
④右手のカードを左手の親指で引き3、2をデック上に返し、A(+1枚)は右手のみで返して載せる。
⑤デックを揃え、A、2、3と言いつつ、トップからカードを1枚ずつテーブルに右から裏向きでディール。


この“おうち”の家主であるエキサイトブログは、七月から最新記事の末尾に2つの広告文を掲載するそうです。広告が無いのが取柄だったので残念に思いますが、引越しをするとなると手間が掛りますので、当面本家にて継続します。今迄と同様ご愛読をお願い致します。

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by ishiken55 | 2010-06-27 15:07 | カード レクチャー | Comments(2)

一世紀後の「グライド」考

私がカードマジックを始めた頃の解説書や雑誌にグライドはカードの1技法として取り上げられてはいたものの、そこには古い技法(古典的なテクニック)との一文が書かれていたように思います。そのような経緯から、新しいモノのみを求めたがる当時の浅薄な若者は、グライドを使ったカードマジックには殆ど目を向けず…そのまま半世紀近くが過ぎました。

昨年来、初心者の方を対象にカードマジックを講習することになり、カード技法としてグライドを取り上げるべきか否か思案しつつ、現代の代表的なカード入門書を調べてみたら…
東京堂出版刊 高木氏のカードマジック」「気賀氏のトランプマジック」「カードマジック辞典」「カードマジック入門辞典、テンヨー刊 ジェニングスのカードマジック入門の何れもページを割いてこの技法の解説を載せていて、今もグライドは捨て去られていないことを知りました。

思えば、S.W.Erdnase著『The Expert at the Card Table』に"The Slide"として取り上げられているこの技法、それから一世紀。フォース・コントロール・スウィッチと言ったグライドより遥かに優れた技が考案されているので、その用途では後テクに譲り、今後はパケットトリック時の持ち手優美なグライド・ポジショとして生き残ることでしょう。今回グライドについての拙稿記念に、グライドを用いたシンプルなマイアイディアを掲載しておきます。

≪屋上に駆け上がるキング≫
【現象】 デックのボトムより地上に降立ったハートのキング。その上に1階から4階までのカードが置かれると、高い所が大好きなキングは、いつの間にか屋上に駆け上がっている。
【準備】 デックのボトムにのキングを置いておく。他の好みのカードでも可。
【ルーティン及びシークレット】 (写真は一項目ずつ順番に対応)
①左手にデックをグライドポジションで持ち、ボトムののキングを客に示す。
②左手を元に返すと同時にグライドを行い、右手でボトムから2枚目のカードを抜いてテーブルに横向きに置く。(右手は人差指を使い、左手のボトムカードは引いたままに~)
③即デックの半分程を右手で取り、テーブルのカードの上に1階と言ってカードを載せる。
④更に残り2/3を、その次はボトムを除く全カードを右手で取り、2階、3階と言いつつ③項のときと同様に、テンポ良くテーブルのカード上に載せて行く。
⑤残りのカードが一枚であることを客に覚られぬように、4階と告げて載せ置く。
⑥右手でテーブルに積み上げられたデックのトップカードを表に返し、地上にいた筈ののキングが、ビル(又はお城)の屋上に駆け上がっていることを客に示す。

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by ishiken55 | 2010-01-18 17:27 | カード レクチャー | Comments(0)

教える事は…教わる以上に、教えられる事なり

c0049409_1537169.jpg地元で開催の『初歩のカードマジック講座』も早4回分が終了し、残すは後1回のみになりました。そこで、第3回(7/4)と第4回(7/18)で講習した作品を備忘を兼ねて振り返ってみたいと思います。
≪第3回≫
「一致するカード」;高木重朗氏が百円の冊子に掲載された作品
客がシャフルをしたデックから演者は1枚のカードを抜出しテーブルに置く。客にデックの上半分をテーブルに置いて貰い、演者はその上に残りのカードを十字状に載せる。最初に置いたのは予言カードであると告げて表にし、客が分けた箇所のカードを抜いて表にすると予言カードと同色同数のカードである…と言うカットフォースを応用した作品で現象がビューティフル。今回の講座での一番の掘り出し物かも。
「8スーツ」;所属クラブのクロースアップ大会で演じた私のアレンジ作品
演者が先に出し、その後客が予想で選んだ8つのペアカードが一致する…と言う作品です。難しくはありませんが、道中複雑な一面もあり、唯一解説文を配布し自由課題にしました。でも、復習コーナーで受講者中一番の若武者Tさんが見事に演じてくれました。自分以外の方が演じるのを初めて観たので感激しきり。[左の写真]
≪第4回≫
「裏返るカード」;4年前に-つくばで授かった-ゆうきとも氏のレクチャー作品
二人の客に1枚ずつカードを選んで貰う。表向きで最初は1枚、次は2枚のカードをデックに挿し、片手を後に回して戻すと挿したカードのみが裏向きになっている…とい言う一風変わった巧妙な作品。ただ実演した経験は殆ど無く、演技に入り左手を後に回し秘密のアクションをしようとした所でデックが手から崩れ落ち、フロアーに全てのカードをぶちまけした。その瞬間の旦那衆の嬉しそうな顔と顔。レパートリーではない作品を教える愚行!それとも祟り?
「7と8」;カードマジシャンなら多分ご存知の公知の作品
7と8のカードをデックに挿入する。気合と共にその2枚のカードをデックから一瞬にして引き抜く…と言う作品です。17才の時に先輩から教わり、今は主にカードマジックを観てくださった方への“お裾分け手品”にしています。前作の失敗で急遽取り入れたのですが、現象の素晴らしさを見直した次第です。なおこの作品は昭和18年に力書房から出版された坂本種芳氏著『奇術の世界』にも掲載されています。
「意外な出現」;私の命名作につき世人には不明のパケットトリック
ハートのAから4までを順番にテーブルに置く。それを一旦集め同じように配ると4、3、2、A。しかしAはハートからスペードに変わっている…と言うシンプルな作品です。グライド相当の技法を使いますが、初心者の方には難しい感じがしました。マジシャンが何でもないと思うことでも、初めての方には“意外な”困難さが伴う事を学びました。

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by ishiken55 | 2009-07-22 16:20 | カード レクチャー | Comments(0)

キーカード利用の「シンプルなカード当て」‐ミニ研究‐

小学生だった昭和三十年代中頃…祖母が毎年正月に小学館発行の月刊誌 『小学〇年生』を買ってくれた記憶が残っています。六年生の正月だったと思いますが、その本の中にキーカードを使った簡単なトランプ手品が掲載されていて、学習し演じてみた憶えがあります。多分、その時がカードマジックに接した最初の体験だったのではないかと思います。

今月から始めた市内生涯学習センターでの『初歩のカードマジック講座』、記事でお伝えしましたように、“手ごわい”ことが判って来ました。それでも、2回目の開催となる先週の土曜日(6/27)には、前回より一人多い22名の方が参加され、講座としては活況を呈しています。初回は“移動”がテーマの三作品、今回のテーマは“カード当て”。当初キャプラン作「不可能なロケーション」やバーノン作「イモーショナル・リアクション」などの洒落た作品を予定していましたが、初回の情況からキーカードを利用したシンプルな作品への組替えを行いました。

その間、キーカードを利用した「シンプルなカード当て」作品について、戦前の坂本種芳氏著『奇術の世界』から-現代の代表的な入門書・氣賀康夫氏著『トランプマジック』迄、手元の文献で調べてみた所、意外にもその種の作品の掲載は希少である事が俄に判明。そして下記の四作品をベースに、自分なりにベストと思う構成にて講座の中に取り入れました。
*力書房刊 高木重朗氏著『トランプの不思議 (1956年)』の「指先の不思議」
*鶴書房刊 高木重朗氏著『カード奇術 (1972年)』の「脈はくの変化であてる」
*Karl Fulves著『Self-Working Card Tricks 1976年』「No-Clue Discovery」
*三田皓司氏著『メンタルマジック (1995年)』の「脈であてる客のカード」


≪テーブル利用のカード当て≫
①デックを裏向きでテーブルにリボンスプレットし、レディーに1枚選んで貰う。
②演者は後を向き、観客にカードを確りと覚えて貰う。(ボトムをキーカードに)
③シャフル中にストップを掛けて貰い、左手のパケット上にカードを戻して貰う。
④右手にあるパケットを、左手のパケット上に置き、両手でデックを良く揃える。
⑤デックをテーブルに置き,演者と客が1回カットを行う。(客のカードは中央に)
⑥表向きでデックをリボンスプレットし、レディーの右手首を慇懃な仕草で握る。
⑦レディーの食指をカードの間に走らせ、“脈の変化”で選んだカードを当てる。

≪テーブル不要のカード当て≫
①デックを裏向きで両手の間に広げ、レディーにカードを1枚選んで貰う。
②客がカードを覚える間、カードが抜かれた所からデックを左右に分離し揃える。
③「元の箇所に戻して下さい」と告げ、意識的に右手を少し下げ前方に差し出す。
④左手の部分を右手上に乗せる。(これでキーカードは選ばれたカードの上隣)
⑤左手にカードを揃え、右手はレディーの左手首をそっと取り、脈を取る仕草。
⑥レディーに、カードを1枚ずつ上から取り、表向きに下に置いて貰うよう指示。
⑦“脈の変化”を感知し、キーカードの次のカードのところで「これだ!」と叫ぶ。
(注)カードを選ぶ人は、レディー限定である事をくれぐれもお忘れ無き様…。

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by ishiken55 | 2009-06-29 11:00 | カード レクチャー | Comments(0)

「5 スーツ」・・・(副題;5人のお客を弄るカードマジック)

複数の観客に参加して貰うカードマジックは、以前に『エジプトの秘密』と題する作品を掲載('05.08.28)しました。この種の作品は、多くの客が一つのマジックの中に入り込むことで、演者とアクトをされた方との間に親近感が増すと共に、お客さんの脳襞にその時の体験が後々まで強く印象として残るようです。今回は久し振りのカードレクチャーとなりますが、基本原理はメンタル系の簡易な手法を用い、5人の客が直に参加することにより、ナックルボール的な面白さを醸し出す多人数参加形の試行作品 『5ファイブスーツ』を掲載します。

<作品のあらすじ>
① スペードとハートのA~5をデックから抜出し、テーブルに並べます。 [写真左]
② 演者がスペードのカードを持ち、ハートのカードは5人の客に1枚ずつ持って貰います。
③ 最初に演者が1枚のカードをテーブルに伏せて置きます。そして「このカードと同じ数のカードをお持ちの方は、私が置いたカードの横に伏せて置いてください」と言います。ここで、客が“もじもじ”していたら、「さぁ~直感でよいのですょ」と告げ促します。その助言により、1人のアクティブな客が、まず最初に自分のカードをテーブルに置く筈(?)です。
④ 演者は③と同様に、1枚のカードを抜き出し初回に演者が置いたカードの上に裏向きで載せ、次に客の1人に先ほど別の客が置いたカードの上に手持ちのカードを置いて貰います。 そして、この動作をカードが無くなるまで(その前で止める場合もあり)繰り返します。
⑤ 演者は「私がカードを置いた後、皆さんにそのカードを予想して手持ちのカードを置いて頂きました。では、これから置かれたカードが一致しているか確認してみましょう」と告げ、演者が置いた山と客が置いた山から1枚ずつカードを表に返して行きます。 [写真右]
⑥ すると・・・全てのカードが見事に一致して表れます。

<シークレット>
ネット上での“種明かし”は色々と差障りがあり、最近は避けることにしています。
上記の“あらすじ”だけで大多数の方はご理解できるものと推測しますが、折角お読み頂いたのにゴールに辿り着けない方のために、ヒントを5つ記しておきます。
5人の客が、どのカードを持ったかを確りと記憶。
(易しい方法は客の並び順に手渡す。記憶に自信があれば自由選択がベスト)
演者が最初に置くカードは、客に置かれる確率が一番少ないカードを選定。
(一般的には4か、客の年齢・性格を捉えて瞬時に判断~って難しいかも?)
2回目以降に演者が置くカードは、前回客がテーブルに置いたカードを選別。
(何気なく、自由選択している振りをすることが重要!)
演者が最初に置いた数のカードを客が置いたら、テーブルへ置く行為は中止。
(客が4枚目で置いたら、5枚目はテーブルに置かずに残りの客のカードと照合)
演者側の一番上のカードを捲る時のみ、簡単なテクニックを行使。
(最近話題となった佐藤総氏作「card magic designs」のデモ映像が糸口)

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by ishiken55 | 2009-01-30 21:12 | カード レクチャー | Comments(0)

“フォース”への 重い想いと 思い付き

カードマジックを行う時、“フォース”は不思議な現象を創出する上で効果的な技法であるのは間違いないでしょう。でも、フォースはマジシャンに取って麻薬的な側面もあり、これに頼り過ぎるとカードマジックの本来の面白さが見えなくなって、ドロップアウトしてしまう恐れさえ内在している技法と言えなくもありません。

c0049409_18123229.jpg私もマジックを始めた当初、テイクワン系のカードマジックを演じる場合~フォースを多用していたことを想い出します。でも、今ではカードマジックを披露するときに使用するフォースは、1回のみに抑えています。また、私の『Take One の技法』シートの中に書かれているフォースは下記の6点ですが、現在実際に使用しているのは100%クラシックフォースです。
①クラシックフォース ②ドリブルフォース ③カットフォース
④バックスリップフォース ⑤ヘンリーTクライストのフォース
⑥マジシャンズフォース


<お客が1枚のカードを選ぶ時、自由に選択した意識を真に持って貰うこと>
これは、カード当てマジックを演じる上で、とても重要なことなのではないでしょうか。しかし、演者の結末への道筋を狂わしてはいけないとの(見る立場からの)優しい思いから、お客は不自然さを感じつつ~その場を流しているに過ぎない?としたら・・・
ヒュガードのバックスリップフォースや最近流行のドリブルフォースで、その意識をお客が持ってくれるとは到底思えませんし、クラシックフォースでさえ、お客に押付けているようにも思えて来ます。そうなるとカードはテーブルにリボンスプレットし、お客に1枚のカードを自由に選んで貰うのが一番自然という事になります。そこで、こんな方法を考えてみました。

リボンスプレットフォース
①トップカードを憶えます。(ボトムカードを glimpse し、トップに切上げる)
②デックをカットし、元のトップとボトムの間にブレークを作り、右手でデックを保持します。
③右手でデックを裏向きにテーブルの上にリボンスプレットします。
(プレークの箇所に、他のカード間とは異なる僅かなスペースの違いが生じる)
「カードを自由に1枚お取りください」と客に告げ、広げたカードを修正する仕草で、元のトップとボトムの間を少し広げると共に、元のトップカードを手前に(演者側へ)少し引きます。
⑤お客はカードを見回した後、引き込まれるように“覚えたカード”を選ぶ!~筈?
これは、あくまでも“思い付き”、効果の程は~実践でお試しあれ。
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by ishiken55 | 2008-08-23 17:28 | カード レクチャー | Comments(0)

カードマジックのストーリー<試し書き>

海外のカードマジックには、ストーリーに重きを置く作品を見かけます。
テクニック中心のマジックと比べると、話の分だけ演技時間が長くなりますが、ストーリーを組み入れることで、想像力が高まると共に、同じ作品であっても演者の個性が発揮できて、カードマジックの持つファンタスティックな魅力がより広がるように思います。そこで、カードマジックの名作 『エレベーターカード』 にて、ストーリー・マジックにトライしてみることにします。

<その1>・・とある同級生のお話(クラブのA.2.3)
① まじめ一途なサブローさん、下積みから、上昇志向で精励努力。会社社長になりました。
② 土地成金のジローさん、ギャンブルに手を染め、一気に降下。ホームレスとなりました。
③ プロ野球選手のイチローさん、メジャーに入り、大リーグのトップバッターになりました。
<その2>・・とある幼なじみのお話(ハートのA.2.3)
① 心の優しいミツコさん、デパートの受付嬢から、玉の輿に乗って社長夫人となりました。
② きつい性格のフジコさん、社の屋上で気弱な男を振り、エレベーターで降りて来ました。
③ 見目麗しいヒトミさん、宝塚から芸能界に入り、女優さんのトップスターになりました。

話しに一貫性がなく~オチも決まっていませんね。いやいや難しいものです。
なお、文面の内容は全て架空のことであることを、ご承知置きくだされたく。

ps
「エレベーターカード」を解説した本を記載しておきます。(著者は高木重朗氏)
また、この“おうち”のカードレクチャーに 「いしけんのエレベーターカード」と題した記事(2005.2.11)を掲載しています。お気が向きましたらご参照ください。
*「トランプの不思議」(力書房1956年)~エドワード・マルロー[原作者名]
*「研究奇術 2号」(力書房1956年)~ビル・サイモン
*「カードマジック辞典」(東京堂出版1983年)~マルロー,サイモン,ガルシア
*「トランプカード奇術」(ひばり書房1988年)~ビル・サイモン


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by ishiken55 | 2008-06-10 12:01 | カード レクチャー | Comments(0)

W君の 「ツー・カード・モンテ」・・・<パートⅡ>

W君が出身クラブに齎した『2枚のカードのみを使った二種類のカード・モンテ』。その一つを1月29日に掲載しましたが、もう一つの方法も忘れない内に記事にしておく事にします。前回の方法は掌を返すアクションが伴うため、客に何方が赤のカードか一瞬の戸惑いが生じ、その不確かな客の心理状況を巧みに利用する事で、3回程アクションを繰り返す事ができます。そして、そこがこの方法の魅力でもあります。しかし今回の方法はフェイントのないダイレクトなアクションですので、客に求められても決してリピートしてはいけません。

<アクション&シークレット>
①右手に赤と黒のカードを各一枚、V字形に持ち客に示します。 [写真 上]
②左側のカードに左手を添え、「赤いカードを良く見ていて下さい」と告げます。 [写真 中]
③V字の2枚のカードを、テーブルに離して逆八の字型に伏せて置きます。[写真下]
(この動作時に左右のカードを入れ替えてしまいます。両手の親指がポイント。)
④客に「赤いカードは、どちらだと思いますか?」と尋ねます。
⑤客が指差したカードを表にすると、それは・・・・・

ps
今回で、二つ後輩のW君の作品記事は4回目。(因みに、一つ後輩のN君の場合は1回、そして三つ後輩のD君は3回)・・・いやいや~勝手に後輩たちのお世話になっています。でも、彼らには十数年から二十数年逢っておりません。なお、現在は3人ともマジックに関わっていないと思われますし、この“おうち”のことも多分知りません。40年前は、それぞれが個性的な奇才マジシャンだった3人、いつの日か再会できることを想いつつ・・・

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by ishiken55 | 2008-02-23 12:08 | カード レクチャー | Comments(0)