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「カップ&ボール」のマイ・グッズ

「カップ&ボール」はあまりにも有名なクロースアップ・マジックなので、説明の必要はないでしょう。しかしその道具となると市販品ではなかなか気に入るものがないのが実情です。私の抱く感覚は以下のようなものです。(私的感懐ですので誤解のないように)
プラスチック製はあまりにも品がない。
アルミ製はマジックそのものを軽い感じにしてしまう。
スチール製は画一的なイメージが強すぎて使うことすら恥ずかしい。

先日アルミ製とスチール製をあるディーラーで見せて貰いましたが、やはり買う気持ちにはなりませんでした。ディーラーさんゴメンなさい~。一年半ほど前に、百円ショップで「カップ&ボール」にフィットするステンレス製のカップを買い求めると共に、ボールは手芸店で飾り付け用のボールを買いマイ・グッズにしました。ウオンドを含め千円以下で揃えることができました。市販品よりはちょっと小振りのこの道具で結構人前で演じていますが、感覚的にはオリジナル・イメージを醸し、楽しく演じることができています。

[グッズ購入のポイント]
<カップ>;百円ショップといっても、そう簡単に見つからないと思います。根気よくフィットする品を探してください。カップの美しさとカップを重ねたときにボールが入る浮きスペースがあることが選択のポイントです。
<ボール>;大きさは2cmぐらいのものがよいでしょう。色はいろいろありますので通常使用する白のほかに、カラーチェンジ用に赤、青、黄色などを取り揃えておくと便利です。一個五十円程度で入手できます。
<ウオンド>;これは好みのものを使えばよいのですが、私はこれも百円ショップで売っていたおもちゃのビリヤードゲームの棒を使っています。

[演技ルーティンについて]
「カップ&ボール」については三十数年のブランクがあった事から、残念ながら今は独自のルーティンを持っておりません。先人が発表された下記の手順を使わせて貰っています。
<Main Routine>;松田道弘氏のイントロダクション(東京堂出版 クラシック・マジック辞典)とダイ・バーノンのルーティンを繋いだもの。
<Sub-Routine>;高木重朗氏のカップと3色のボール。(金沢文庫 即席マジック 絶版)

追 伸
ボールについては、T.まさのぶ氏のサイト・リンクから検索して、関西系の通販マジックショップでジョンソン製のボールを三千円程で買いましたが、私のカップには硬さが合わないため使用していません。道具の取り合わせというのはなかなか微妙なものなのです。(T.まさのぶ氏は、マジック・サイトで毒舌家として有名な人のようですが、会ってみると礼儀正しい、なかなかの好青年でした。)
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by ishiken55 | 2005-02-26 11:43 | マジック グッズ | Comments(0)

奇術「パン時計」の思い出と想い

「パン時計」というマジックがあったことを、正月のNHKマジック番組で、今は亡きアダチ龍光師が演じた昭和46年の「天覧奇術」回顧映像を観て、思い出しました。私もその時代の前後に、このマジックを舞台でたった3回ですが演じたことがありました。このマジックを演じたのはまだナイーブさが抜けていない二十〜二十五歳のときでした。

初めて演じたのは母校の文化祭の特設ステージでした。(昭和43年)
このときは、私の友人に誘われて後に漫談家となる牧田博師(この時点はまだジャズピアニスト)が花束を持って観に来てくれたことを懐かしく憶えています。牧田博師は私より一つ年上でしたが、漫談家としてデビュー後は、彼のステージを観に行ったり、街で飲んだり、正月に旅行に行ったりしました。十数年前にはNHKの音楽番組でジュディ・オングさんと司会のレギュラーを持たれていましたが。・・・今でも浅草で巧笑を振り撒いているのでしょう。(マジシャンも含めプロの芸人がその道で生きていくのは、なかなか大変な事なのでしょう)

c0049409_22211274.jpg2回目は椿山荘での、あるパーティーのアトラクション出演でした。(昭和43年)
この時は、チャイナリングと併せて演じたのですが、時計を差し出してくれた方がパーティーのボス的な人で、その時計の大きさに苦労させられたことを記憶しています。演技のあとでパーティーの会食に参加させて貰い、その豪華なディナーは、まだ学生だった私には初めて味わうおとなの雰囲気の場でもありました。

3回目は、今は存在しない「赤坂公会堂」で開催された学生主催のマジック発表会のアシスト出演でした。(昭和48年)
この時きはたばこと併せて演じましたが、前回に懲り時計は後輩のN君に頼んで差し出し役になって貰い、3回の中では一番スピーディーに演ずることができたように記憶しています。このショーの出演者の中では私が一番年上で、若い学生の出演者との世代の違いを、ほろ苦く体感させられたときでもありましたが、世代を超えて同じステージに立てることの悦びもまたあったように思います。(その5年後まで学生達と同じステージに立つことになるのですが)

上記から30年以上が過ぎました。その後私は一度もこのマジックを演じていませんし、マジシャンの方が演じているのも観たこともありません。今後もこのマジックに接することがあるかどうかは全く分かりませんが、このマジックの唯一の道具「赤いボックス」は、今も家の押し入れの中で30年以上も眠り続けています。
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by ishiken55 | 2005-02-22 22:32 | マジック エッセイ | Comments(0)

いしけんのカードマジック・イントロダクション

クロースアップマジシャンと自認されている方々は、カードマジックのマイ・ルーティンを持たれていることと思います。そして演技開始のアイテムにはいろいろと苦心しているのではないかと思います。今回はそういう方々の参考になればと私のカードマジック・ルーティンのイントロダクションをご紹介しようと思います。

<イントロダクションのコンセプト>
最初は特定の観客だけに焦点を当てずに、観ている方全員をマジックに引き付けることを目的として、若干フラリッシュを伴ったアクションの大きいアイテムから入ります。そしてイントロ部の終盤は特定の観客にアクション参加を行なってもらうアイテムを演じて、カードマジックのメインルーティンに入っていく構成にしています。

<ルーティンの構成>
[ステップ1] カードのせり上がり (Arranged by Ishiken)
デックの中に入れたカードがトップに戻るというマジックです。私は6回行いますが、回数&方法は自分の好みでアレンジしてください。
(1回)T (2回)D (3回)S~ティルト (4回)Dの各リフトでフェイスアップ→デックに挿入。
(5回)デックを返して表を上に向け、ル・ポールの「カラーチェンジ」で表示→右手でカードを1枚(又はDリフトで2枚)を取り客に示した後、左手のデックを返してその上にカードを乗せる。
(6回)右手でデックの下側を抜き出すが、このとき食指でトップカード(又はT2)をシフトしてしまい、ただカットしたように右手のパケットをトップに乗せてフェイスアップ。

[ステップ2] 不思議なファン(by Le Paul. 原題;A Reverse Card Routine)
私なりのアレンジはしていますが、基本のストーリーはオリジナルを尊重しています。この演技の終わりにリバースしたカードがデックの中に1枚残りますが、カットでそれをボトムに回し且つカード名を覚えておきます。(これが次ステップの演者のカードです)

[ステップ3] 上を向くカード(出典不詳、マジックノートには38年前の内容ノミ)
以下に現象だけを書きますが、皆さんだったら手順はお判りになると思います。シークレットリバースを2回行なうのと、最後にカットを1回行なうのがポイント。
;客にデックの半分を取って貰います。演者と客が1枚のカードを自分のパケットの中から抜きそれを憶えます。カードを交換しパケットの中に裏向きにそれぞれ挿入します。演者は客のパケットを返して貰い1つのデックにします。お互いのカードが何であったか教え合います。演者がデックをテーブルにスプレットすると、演者と客の2枚のカードだけが上を向いています。
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by ishiken55 | 2005-02-19 19:05 | カード レクチャー | Comments(0)

マジックへの道は中央郵便局から始まった

昭和39年(1964年)、アベベや円谷の東京オリンピック・マラソンゴールを、国立競技場のスタンドの中で満員の観衆と共に一過性の日の丸昂揚感を持って観戦してから2ヶ月後、私は東京駅丸の内側のすぐ前に建つ中央郵便局の中で数日後に訪れる新年用の年賀状の区分けアルバイトをしていました。その作業の休憩時間にバイスクル(そのときは勿論この名前を知りません)のトランプを取り出し玩んでいる人がいました。この人が私の母校の2年先輩にあたるT氏でした。同一学科に所属していることも分かりそのことも荷担したのか「年が明けたら学校で会おう」との仲間への勧誘に軽い気持ちで応じて、昭和40年の1月初旬に同級生数名でマジックの活動しているというそのクラスの教室を訪れたのでした。そのあと半年ほどの助走期間がありましたが、このT氏との中央郵便局での出会いが馬車馬のごとくマジックロードを走り出す原点となったのでした。

出張で東京駅から新幹線に乗り列車の出発を待っているとき、駅舎の前で今では回りの高層ビルに圧倒されながらも、その年輪を感じさせる佇まいで「ちいさいおうち」さながらに立っているその姿を眺めていると、私のマジックへの道に入るきっかけとなった「老中央郵便局」に、懐かしさと労わりと親愛の気持ちが静かに湧きあがって来ます。

※その時の中央郵便局でのアルバイト料は1日で500円、電車は最低運賃が10円でした。そして赤色のポーカーサイズのバイスクル・トランプは600円以上もしました。当時の学生にとっては高価なそのトランプを初めて買い、その封を切ったときの重量感とわくわく感は今でもこころに残っています。
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by ishiken55 | 2005-02-15 23:01 | マジック エッセイ | Comments(0)

3本のチェーン

「3本のロープ」という有名なロープマジックがあります。色々な手順が発表されていますが、今回私が公表するマジックグッズはロープの代わりにチェーンを使用するというものです。そしてこのグッズによりロープとは一味違うマジックを楽しむことができます。この道具も製作してショーで初めて演じてから約30年が経ちましたが、何せ金属製ですから今でも新品と変わらぬ輝きを持ち十分使用に耐えますし、収納性もよいので便利なマジックグッズの一品です。

この道具を作ろうと考えたきっかけは、たばこと同様私のステージマジックのライフワークアイテムとなっていたファンカード(ただしミリオンカードは全く演じません)と併せて演じたときに、イメージがフィットするものとして思い付いたものです。そしてこの「3本のチェーン」は、後輩主催のマジック発表会や当時完成して間もないサンシャインビルの最上階で開催されたイベントで、プロの漫談ボーイズのバック演奏で演じたりしましたので、私にとっては思い出の多いマジックグッズです。製作上及び演技上のポイントを挙げますと・・・

*素材は太くて目が詰まったものがよいでしょう。
*色は金色がよいでしょう。(各自の好みにもよりますが)
*ロープとは感触が大きく異なります。その特性を生かして演じましょう。

※鮮明な写真ではありませんが、そのイメージが少しでも伝わればと思い、昨年ステージで本グッズを使用した時のワンカットを下記に添付します。

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by ishiken55 | 2005-02-13 13:14 | マジック グッズ | Comments(0)

いしけんのエレベータ―カード

エレベーターカードはクラシックカードマジックの1つですので、カードマジックを志したマジシャンでしたらほとんどの方がご存知のことと思います。その構成はマジックの基本を包含した不滅の作品と言えるでしょう。エレベーターカードの解説や実演としては・・・

*高木重朗氏著力書房発行の「トランプの不思議」
五十年前に発行された本で、数ある高木氏のカードマジック入門書の中でも氏のカードマジックに対する想いが凝縮した最高の入門書(現在は絶版)~の中にマルローの作としてDリフトを使用した方法が解説されている。
*初代、引田天功師が1967年にテレビ番組でグライドを使用した方法を実演。
*最近、前田知洋師がテレビ番組で実演。(リアルタイムにつきコメントは省略)

などがありますが、カードマジックの初心者がその日のうちに覚えられ楽しく実演できる方法として、Dリフトやグライドなどの技法(これらの技法は簡単なようで完璧に行なうにはとても難しい技法です)を使用しない私のエレベーターカードを公開することにします。
このアイテムは、今でも私のカードマジックのサブ・ルーティンに入れています。

① デックを表向きにしてボトム(表向きの一番上)にC3、C2、CAを集める。
② C3、C2、CAを右手で取り、客に示した後デックに戻すが、このとき1枚のカードをシークレットアディションして3枚のカードの下に加えてしまう。
③ 左手は残りのデックを返し、裏向きでディーリングポジションに持つ。
④ 右手はパケットをビドルグリップに持ち、左手親指でC3、C2の順で引き左手のデック上に返す。そしてCA(+1枚)は右手でそのまま返し左手のデックに戻す。
⑤ この後は基本手順に則ると共に、各自パーソナリティーを生かし演じて下さい。
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by ishiken55 | 2005-02-11 14:01 | カード レクチャー | Comments(0)

KMCマジック発表会を観覧

昨日KMCのマジック発表会を観ました。私とKMCの関係はここでは申し上げられませんが、ショーの纏まりとしては合格点が貰える出来ではなかったかと思います。
今後の課題は集客ではないかと思います。兎に角関係者の方々ご苦労さまでした。
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by ishiken55 | 2005-02-06 12:22 | マジック エッセイ | Comments(0)

私の相(愛)棒「チャイニーズステッキ」

私が40年前、初めてステージマジックを演じたのはチャイニーズステッキでした。
詳しいことは書けませんが、とにかく初心者が数日で演じられる“モノ”はないかということになり、この道具が私に宛がわれたのでした。小さなステ-ジに立ち、そのときのちょっとした爽快感がマジックロードに誘い込まれる原因となりました。

それから10年後、私は社会人になってからタバコのマジックをメインにしていましたので、タバコと併せるグッズとして、タバコと同様の清楚感を持ち、且つ見栄えのする演目として自製の「チャイニーズステッキ」を創りステージで使用しました。そのグッズは40cmの長さで、釣り用のグラスファイバー棒に釣り用の純白の太糸を巻き付け手元の部分は銀色の水道用装飾管、そして白い浮きとリリアン糸と錘で紐の部分を構成しました。このマジックグッズはその後度々プライベートな小ステージで演じてきましたし、すでに30年を経てきましたので初期の純白はやや色褪せてきてはいますが、今でも現役の私の「愛棒」です。

このチャイニーズステッキの「作り方メモ」を当時作成し後輩達に配布しましたが、残念ながらそれを基に自製グッズを創ったという話は聞いていません。もしこのメモを欲しいという方がおりましたらご連絡ください。(実費頒布を考えます)
下記の写真は、昨年こどもを対象としたステージで演じたときのワンカットです。
男は最初に出会った”モノ”になんとなく愛着を持ってしまうものなのですね。
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by ishiken55 | 2005-02-04 22:40 | マジック グッズ | Comments(0)

はじめまして「いしけん」です

岩波書店発行の「ちいさいおうち」という絵本があります。私が小学校に入学した頃に父がこの本を買って来てくれました。子供心にも、「再生」の喜びというものに漠然と共感したのか、私の一番のお気に入りの絵本となりました。それから約半世紀が過ぎた昨年の夏、本屋さんで偶然この本を見かけ、店員に差し出す時の恥ずかしさを少し感じながらも、この本を買いました。

それを読みながら、ここ数年取り組んでいるマジックの「再生」と重なり、懐かしさと新鮮さでとても爽やかな気持ちになりました。私は学生の頃、ひょんなことからマジック(奇術)の道に入りました。(とはいってもプロではありません)それから約40年が過ぎました。30歳で演技者としてフェードアウトしてからは、趣味の一つとして楽しむと共に、身近な後輩達のマジックを観ることを楽しみとして来ました。

ちょうど2年前に、ある後輩に刺激を受けマジックの「再生」をしてみようという気持ちになり、それ以来話しがあれば規模の大小に関わり無く、どこでもマジックを演じて来ています。今回Exciteのブログを利用させてもらい、私なりのマジックのアイディアやマジックに対する想いを書いていこうと思っています。そして私のもう一つの趣味である文芸(もちろん読む方です)についても併せて書けたらと考えています。
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by ishiken55 | 2005-02-03 12:23 | マジック エッセイ | Comments(0)