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「サーストンの三原則」 を知りません。

マジックに携わって5年が過ぎた頃でしょうか。「サーストンの三原則」という馴染みの無い言葉を、出身クラブの後輩達が発行を始めたマジック機関誌で目にしたのでした。
1、予め演技の内容を話さない。
2、同じ奇術をその場で繰り返さない。
3、種明かしをしない。

そんな事、マジシャンとしては当然だろう!・・・と思っていると、この「サーストンの三原則」というフレーズが巷に広がり始め、瞬く間に日本のマジック界の津々浦々まで席巻して行ったのでした。それから既に四十年近い歳月が・・・・・

■ 最近、この「サーストンの三原則」の出自や内容について、疑問視する情報が聞こえてきたりしますが、サーストンさんが言ったのかどうかは研究家にお任せすることにして、この三項目は、現在に於てもマジックを演じる上で重要な原則であることに疑いは無いと思います。
私なども「もう一度やってみますから、今度は“よーく”見ていてくださいね」と言って同じマジックを演じたり、カードマジックの「種明かし」をしたりしています。しかし、それは“同じ様に”見えても同じマジックではありませんし、“種明かしの作品”は観客にマジックのファンになって頂くために予め用意したカードマジックであり、決して原則を否定した行為ではないのです。

■ 前回の記事「クラシック・マジック へのトリップ」で取り上げた洋書の一つ、Fugard & Braue著 「The Royal Load to Card Magic」 の前文に、“良いカードマジックを演じる上での普遍的な法則”として、「サーストンの三原則」の内容に二項目(4、ミスディレクションの有効活用 5、セリフの有効活用)を加えた、五項目が記載されています。

『演者自身のセリフが、マジックに与える効果を確りと認識しておきましょう。
セリフはマジックの演技をより楽しいものにするのみではなく、演技の“秘密の行動”を隠してくれる効果もあるのです。演者が話をしている時は、多くの観客の心はそれを聞くことに集中しているため、演者のアクションへの注意は散漫になっているものです。』 (5項の訳)


■ 写真は、先日古い資料の家探しをしていて、偶然見付けた「ALWAYS三丁目の夕日」と同時代~昭和三十年代の一般のマジック書です。右は昭和34年元文社刊 森正観氏著「トランプ手品」、左は昭和35年大泉書店刊 藤瀬雅夫氏著「トランプの一人遊び」です。左の本の第Ⅲ編<トランプの奇術>の冒頭に、“演技前の心得”として「サーストンの三原則」と同様の内容が3ページに渡り記載されていました。

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by ishiken55 | 2006-06-28 22:50 | マジック エッセイ | Trackback | Comments(3)

「クラシック・マジック」 へのトリップ

“クラシック・マジック”の名を冠した「マジック解説書」が数冊販売されていますが、クラシック・マジックとは、どの様なマジックを指すのでしょう。私の考える定義は・・・
<半世紀以上の歴史を有し、現在も多くのマジシャンに愛され続けるマジック>

その定義からすると、半世紀を生き抜いた日本発の「マジック解説書」は存在しませんので、クラシック・マジックの解説書は欧米の書籍に頼らざるを得ません。
十代の終盤から、カード関連のクラシック・マジック洋書に興味を覚え、その数冊を買い込み自分なりの翻訳に取り組んだ一時期がありましたが、やがて俸禄を食むための生活に追われ、地道なクラシック・マジックの研究からは遠ざかってしまいました。そしてそれらの洋書の数冊は、色々な事情により散逸しても行きました。

今春、アマゾンでクラシック・マジックのペーパーバック版の洋書が廉価で入手できることを知り、早速4冊の書籍を購入したことは、3/30と4/9の記事でお知らせしました。そして、10日程前に旧知の元マジシャンが、9冊のクラシック・マジックの邦訳書を抱え“いしけん宅”に持参してくれたのです。その中に、J.Nヒリヤード著(高木重朗氏訳)「The Greater Magic Library」の3冊が含まれていて、Ⅲ巻の“訳者あとがき”に、カードマジックの基本的解説書として、ダイ・ヴァーノンが挙げた書名が記載されていました。それは・・下記の5冊でした。

Fugard ; ① The Royal Load to Card Magic. ② Expert Card technique.
      ③ Encyclopedia of Card tricks.
Erdnase ; ④ The Expert at the Card Table.
Hilliard ; ⑤ Card Magic. ( “Greater Magic Library”のカード部分)


⑤の書が手元に訪れたため、この5冊が部屋の中に勢ぞろい・・気が向いたときにこれらの書を手に取り、クラシック・マジックへのトリップを愉しんでいます。この“おうち”の訪問客の皆様も、①~④の書であれば全て野口英世札1枚程度で入手できますので、まずは1冊を手にしてみては如何でしょうか。書の内容が即~カードマジックの戦力になる訳ではありませんが、徐々にあなたの演技に厚みが増して行くことを“いしけん”は保障します。

◆ 左はNick Trost の「サトル・カードマジック」、中は「グレーター・マジック」、右は「ターベルコース(初版本)」の各邦訳書です。上のチャイニーズ・ステッキは、これらの邦訳書が出版された三十年前の同時期に自製したマジックグッズです・・・関連~ありませんね。

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by ishiken55 | 2006-06-23 00:05 | マジック エッセイ | Trackback | Comments(0)

カードマジック・アラカルト<4>・・「意外な出現」

6月1日の記事で「パケット・トリック」についてのお話をしましたが、今日は私の数少ないパケット・トリックのレパートリーの中から、一作品を紹介します。

<現象&アクション>
① 演者が左手に持った裏向きのパケットから、右手の人差指で下から一枚ずつカードを引き出し、テーブルに縦に並べると、それは「ハートのA、2、3、4」の順番になっています。
② その4枚のカードを右手で取上げて揃え、前と同様に左手に裏向きに持ちます。
③ 初めと同様、右手で下から一枚ずつカードを引出しテーブルに並べて行きます。
「今度は、先程とカードの順番は逆になりますから・・4、3、2、Aになるはずですね」と言って、最後のAではカードを軽く叩き、アクセントを付けてからテーブルにカードを置きます。
確かに最後に置いたカードはA(エース)なのですが、良く見ると、それはハートのAではなく、スペードのAに変わってしまっています。 [写真 下]

<シークレット>
*パケットのカードは、ボトムから「ハートのA、2、4、3、スペードのA」の順番にセットします。 [写真 上]
*最初にカードをテーブルに置いて並べる時も、2回目の時も、3枚目の所でグライドを使います。即ち一番下のカードを取らずに残りの2枚を1枚のように扱い、3枚目のカードとしてテーブルに置いてしまうのです。 [写真 中]

◆ この“パケット・トリック”は、今からちょうど40年前の夏に、当時の出身クラブの仲間達に私が紹介した作品で、タイトルの「意外な出現」も私が付けました。ただし、40年後の告白となりますが、実はこの作品に類似した作品があり、それに私がアレンジを加えてこの作品にしたと言うのが正しいのです。
最近、絵画の盗作が問題になりましたが、カードマジックの世界はオリジナルと称しても、大概類似のモノが存在します。ですから自分ではそう思っていても、「創作」は使わずに「アレンジ」と言う言葉を用いた方が昨今は無難なようですね。

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by ishiken55 | 2006-06-17 19:51 | カード レクチャー | Trackback | Comments(0)

つくばのカフェでクロースアップマジックを楽しむ。

c0049409_20383268.jpg昨日の土曜日の午後、さとるさんと筑波大学マジシャンズクラブ主催の「第3回クロースアップマジック・イベント」を観に、つくば市のカフェ サンゴミズキ 行きました。二月にも観覧させて貰っていたので、前回と同じイメージを想像していたのですが、今回は会場がサロン風になっていて、新しい感覚でマジックを楽しむことができました。
また、今回は特別ゲストとして、サロンマジックを得意にしているたなかまさのぶさんが出演されたので、よりバリエーションのあるマジックを観覧することができました。

◆ さとるさんは、今年のスウェーデン・ストックホルムで開催される「FISM大会」に出演されるとのことで、エンターテインメント性が増したその切れのあるカードマジックの演技を、大会に先取りする形で観られて幸せでした。

◆ たなかまさのぶさんは、ポケットリング、リング&ロープ、カードマジック1品、そして色変わりシルクと、多彩なマジックを披露してくれました。この方のこれほど良い演技は過去に観たことがありませんでしたので感動モノでした。

◆ 筑波大MCの方々も、カードマジック中心の演技で、それぞれのパーソナリティーを生かして演じていたのが良かったです。特に二人の女性マジシャンは~(又々女性に甘い?)
全体に、良いなぁーと思ったことは・・・カード全体を客に示す時に、皆とても綺麗なファンに拡げていたことです。こう言う何気ないアクション一つで、演じているマジックがより美しく見えますので大事なことですよね。
少しどうかなぁーと感じた事は・・・客にカードを選んで貰う時に、ドリブルを多用していたことでしょうか。(ドリブル~は、ストーリーをrigidにせざるを得ないプロの方の手法では・・)

それにしても・・・周囲を長閑な松林と、緑が濃くなった畑、そしてあちこちに色々な花が咲き乱れる花壇に囲まれたカフェでマジックが観られるなんて、何て素晴らしいことでしょう。
そう言えば・・・いしけんは二部の方を観させて貰ったのですが、一部にはプロマジシャンのマーカ・テンドー師も観覧に来られていたとの事、お会いできなくて残念でした。
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by ishiken55 | 2006-06-11 20:52 | マジック ニュース | Trackback | Comments(0)

コーヒーブレイク

今日は雑談的なお話なので、コーヒーでも飲みながら気楽にお読みください。
エキサイトブログは「scriptタグ」の使用が禁止されていますので、広告報酬システムのアフィリエイトの運用や、レンタルのアクセス解析の設置ができません。
4月の末、そのエキサイトブログに最近流行のSNS(ソーシャル・ワーキング・システム)風の社交システムと、簡易アクセス解析を合わせ持った「ネームカード」が導入されました。

早速登録をしてみたところ、社交場は閑散としているものの、アクセス解析の方は興味ある情報が得られようになりました。訪問戴いている皆様への謝意として~5月の集計結果を簡単にお知らせしておきます。

何れの“検索サイト”からの訪問? (30位迄の表示がされています)
① yahoo (238件)、② exblog (215件)、③ google (165件)
トップ3は・・ビックな検索サイトと大家さん・・極めて“順当”な結果でした。
個人系の上位には・・⑤ lilliputさんのHP、⑮ スティングさんの「マジック玉手箱」通信 が入っていました。その他、マーカ・テンドー師のHP、 hikiganeさんloireさんのエキサイトブログなど、リンクを付けて戴いているサイトの多くが含まれていました。

何の“キーワード”で検索? (10位迄の表示なので、チョット物足りない)
①コインマジック (40件)②マッスルパス ( 19件)③カードマジック (15件)
トップ10までのキーワードをマジック種別に括ると・・コインマジック関連 (64件)、 カードマジック関連 (30件)・・となり、最近のコインマジックの人気を窺わせます。
その他のキーワードとしては・・⑤ 「マジックスウィッチ」、⑧ 「春連」、唯一マジック以外では ⑦ 「谷口六郎」があり~これは[2005.6.5]の「週刊新潮2500号」の記事へのアクセスと思われ、谷口六郎さんの素朴な水彩画への根強い人気を窺い知ることができました。

★検索での訪問も有難いですが、リピーターとして訪問戴くのが一番嬉しいです。

c0049409_22545392.jpg*今年は、玄関のサツキが良く咲きました。
平凡な品種ですが、たくさんの花が集まると、
華やかで美しく見えるものだと思いました。
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by ishiken55 | 2006-06-07 23:15 | モノローグ | Trackback | Comments(0)

「パケット・トリック」 私考

「パケット・トリック」 と呼ばれているカードマジック作品があります。
デック全体を使わずに、一部のカードのみで行うカードマジックを指すようです。
デック(トランプ)一式を使用するカードマジックと比べると、食事に喩えれば、デザートのようなスッキリとした味わいが取り柄のカード作品と言えるでしょう。
今回は、その 「パケット・トリック」 について、私の想いを綴ってみることにいたします。

① ノーマルデックの一部のカードを使う 「パケット・トリック」
ノーマルデックの中のカードを用いるので、カードマジックのルーティンに組み入れることが容易です。なお、ルーティンの序盤よりも終盤に組み入れた方が、フルーツのような洒落た味わいが出せるように思います。作品としては「Oil & Water」等がクラシックマジックとして広く知られています。
この種のトリックを2~3点レパートリーにしていると、画一に成り勝ちなカードマジックの現象に変化を付けられますので、観客を厭きさせないためにも有効です。
私は4Aモノの終盤に、その場の雰囲気で「エースのカラーチェンジ」(2005.03.05掲載)と「オーバーチュア」(Max Maven作)を取り入れるようにしています。

② ダブルフェイスやダブルバックのトリックカードを使う「パケット・トリック」
ノーマルカードと組み合わせて使用するのが一般的です。現象は、トニック入りのシャーベットのように、切れがあって刺激的な味わいがあります。ただし一旦手を染めると“麻薬”のように、それに頼るようになってしまう人もいるので、填り過ぎないことが肝要です。

③ 独自のフェイス・カードを使用する 「パケット・トリック」
クライマックスで大きなカードに変化するモノや、ノーマルカードとは全く異なる絵カードを用いるモノなど千差万別です。独立したカードマジックとして演じるのに適しています。ショートケーキのように上品でファンタジーな現象が魅力ですので、自分に合った好みのタイプを選ぶことが重要です。シニア世代になってからマジックを始めた方には最適の作品群と言えます。

私の手元にも、同好の方から頂戴したり、マジックショーの“おみやげ”として入手した『パケット・トリック』 が数点ありますが、実は・・この手のモノを使用したことがありません。

    これって、“宝の持ち腐れ”?
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by ishiken55 | 2006-06-01 21:42 | マジック グッズ | Trackback | Comments(0)