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いしけんの“エスカレーターカード”

エド・マルローの名作「エレベーターカード」は、現象のシンプルさ・明快さが自分自身大好きで、新人の方には必ずご教示している作品です。但し三枚のカードをテーブルに置く迄の前段は結構難しさが伴うため、この部分は原作と異なるアクトを適用しています。それに引き換え、カードが移動して出現する後段は、素直に原作通りに演じています。先日ふっと…駅や百貨店にはエレベーター以上に多くのエスカレーターがあるじゃないかと思い、後段のカードの移動機をエスカレーターに変えてみました。至って安易な改案ではありますが、お試しあれ。
≪3の移動≫
デックをリボンスプレッドし、「これはエスカレーターです」と客に告げ、左の3(と思われているカード)を取り上げてボトムに差し入れ、右手人差指で左端から右に向けてエスカレーターで昇る仕草をする。右端に着いたらトップの3を表向きに返し、元の左位置に戻す。
≪2の移動≫
中央の2(と思われているカード)を取り上げてリボンスプレッドのトップに載せ、右手人差指で右端から左に向けてエスカレーターで降る仕草をする。左端に到達したら、左手でリボンスプレッドをリバースさせてボトムの2を示し、それを取り上げて元の中央位置に戻す。
≪Aの移動≫
右のA(と思われているカード)を取り上げて、ここで暫し横道へ逸れるお話へ…
「A君はパワーが有り余っているので、エスカレーターを駆け上がっています。そうそう、エスカレーターの歩行路は関東では左側なのに関西では右側、“郷に入っては郷に従え”です。ところで新お茶の水駅や東京駅の長いエスカレーターを一気に駆け上がる猛者もいますが、このエスカレーターも相当長いので、どうやらA君は息切れし、上昇半ばで右寄りなりました。後はエスカレーターに任せて昇って行くようです」と言って、右手に持ったカードをリボンスプレッドの左端から中央部までは段を駆け上がる動作をし、リボン中央でカードを中に潜り込ませる。その後は3の時と同様の動作を行ってから、トップに上昇したAを開き、元の右位置に戻す。

<前段のアクトを参考に記載しておきます>
①デックを表向きにし、ボトムに3、2、Aの順番でカードを集めて客に示し、4枚目を密かにブレイク。
②広げた3枚のカードを両手で揃え右手で取り上げる時、4枚目のカードをシークレットアディション。
③左手の親指でデックを返しディーリングポジションで持つ。右手は3+1枚をビドルグリップで持つ。
④右手のカードを左手の親指で引き3、2をデック上に返し、A(+1枚)は右手のみで返して載せる。
⑤デックを揃え、A、2、3と言いつつ、トップからカードを1枚ずつテーブルに右から裏向きでディール。


この“おうち”の家主であるエキサイトブログは、七月から最新記事の末尾に2つの広告文を掲載するそうです。広告が無いのが取柄だったので残念に思いますが、引越しをするとなると手間が掛りますので、当面本家にて継続します。今迄と同様ご愛読をお願い致します。

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by ishiken55 | 2010-06-27 15:07 | カード レクチャー | Trackback | Comments(2)

口は堅くも…脇の甘さを嘆きつつ…阿部氏と向坂氏の交友に驚嘆

c0049409_2323155.jpg私が所属するクラブの会員資格はアマチュア・マジシャンの青年男子となっていて女性には鎖門。でも、先週の例会に可愛いお嬢さんがゲストの一人として来られました。入会後に学生さんが来会するのは初めてでしたので、今年のクロスロードでのシンブルの演技を褒めておきました。「このオジサンだれ?」って感じではありましたが。こういう素養のある女性には社会人になってもマジックに親しんで欲しいものです。そのほか昨年度のT大リーダーと黒眼鏡の後見人もお見えになりましたが、ここでは省略。私…口が堅いので~。

例会の始まる前、隣におられたS会長がニコニコしながら「この間逢った人から“いし〇〇さんがクラブの仕事をいろいろ押し付けられて…とこぼしていましたよ”と言われたので、“仰せの通りで、彼にはいろいろ押し付けています”と正直に答えておきました」といきなりフックを浴びる。「そっそんなこと言っておりません!誰ですかその人は?」と返すも、更にニコニコされて「さあて、だれだったかなぁ~」とかわされてしまいました。二人ほど知人の顔が思い浮かびましたが、当方の脇の甘さが原因と、反省しきり~。

帰り際に…昨年八月この“おうち”で昭和34年に発行されたアート紙印刷の「TAMC会報」が欲しいと書いたことを憶えておられ、重複が二冊出て来たので譲る旨を連絡頂いていたMさんから、現品を渡されました。感謝感激!脇が甘いのにも…一分の利あり~?
土日に掛けて二冊の雑誌を隅から隅まで読了。特定クラブの会報と言うには内容の幅広さに驚かされました。その中で印象に残る記事を一つ挙げるとすれば、「第2号」内に3ページに亘り掲載された向坂逸郎(さきさかいつろう)氏による『阿部徳蔵さんと私』です。

向坂氏はマルクス経済学者・社会主義思想家として知られた方。阿部氏は奇術研究家の第一人者として大正期に摂政宮に奇術を披露、昭和初期に天覧奇術を行った事を生涯の宝とされた方。この二人が昭和4年から8年に掛けて、湘南の鵠沼でご近所だったことから頻繁に交友され、向坂さんは阿部さんからいつもマジックを見せられたそうだ。二人してタイ焼きを食べながら街を歩いたことなども書かれている。タイ焼きとマジックはイデオロギーを乗り越えるモノだったのだろう。私の書棚を調べたら、20歳の頃に読んだ一冊の新書が見つかる。

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by ishiken55 | 2010-06-21 23:50 | マジック エッセイ | Trackback | Comments(0)

慶應の定期発表会「Magic Station」へ

一昨日(6/12)は所属クラブの研修会後、ヤクルトホールで開催される慶應義塾奇術愛好会・第47回定期発表会『Magic Station』を観に行きました。研修会が20分ずれ込んだため、慌ただしく二重橋前を退散したものの、新橋のホールに着いたら20名ほどのメンバーと再会しました。当該クラブだけで観客の平均年齢を三つぐらい押し上げたのではないでしょうか。開演前の座席では、数名がロープを取り出して研究問答を始めるやら~首絞め(?)の練習をする人までいて、寸暇を惜しんでマジックの練習をする姿は、流石に日本で最長の歴史を有するクラブであります。余話はさて置き、今回のマジックショーは前半・後半共に8演目。合計16演目を観させて貰った中で、好印象の演目を記しておくことにします。

≪アクトと手順構成が共に良かった演技≫
wadakenさんの 「ゾンビボール」
布の持ち方が独特で表現もクドくない程度に個性的。特に序盤の動作が良かった。
倉持シンさんの 「ウォンド&シンブル」
この組合せはモデルがあるものの、テンポの良い演技は姿の良さも加担しピカイチ。
≪ビジュアル&アイディアで印象に残った演技≫
女性2+男性1による 「イリュージョン」
このイントロで“有楽町を徒歩で横断して来た甲斐あり”と、オジさんに期待が膨らむ。
城所貴博さんの 「アラカルト」
ちょいネタの一人芝居が楽しい。バス停絡みのオチがあると更に良かったと思う。
久保政斗さんの 「ペイント」
音符を用いたアイディアは評価。ただBGMに不快音が含まれていたのは少々残念。
尚、「ハト」の演技については先月春連で取り上げたので、感想は割愛します。

題名の“Station”は…鉄道の駅を想像したのですが、 ラジオのDJ局と判明。司会は小道具や映像を使わず、慶應のMCスタイルはシンプル化の方向に進んでいる模様。
「汽笛一声新橋を」乗車し、「あゝ上野駅」で乗換え、常磐車中は「北帰行」の人となり。

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by ishiken55 | 2010-06-14 17:49 | マジック ニュース | Trackback | Comments(0)

「鳩出し」は終了…「菅笠お遍路」の登場へ

出でし鳩 演技途中で 宙に消え
相変らずの駄句で失礼します。国のトップに立つ人は…人柄が良くてもダメ、思いを語るだけの人もダメ、2世3世もダメ、一貫した信念と実行力がないと務まらないと言う事でしょう。

 かきつはた 佐紀沼の菅を 笠に縫い 着む日を待つに 年そ経にける
これは万葉和歌です。数年前に菅笠を被り四国のお遍路に旅立った人のパフォーマンスが今になって気になります。佐紀は“咲く”の意、新総理に余りにぴったりの詠み人知らず。

政権が替わる毎に、庶民の一人として新総理には期待を寄せるものの、このところ際立った成果が無いまま短期間でステージから消え去る首班が続いています。例えがちいさくなり恐縮ですが、私が取り組んでいる“種も仕掛けも無くて不思議なマジック”と同様に、菅さんには一見相反する“景気対策と財政再建”を成すマジック施政を期待しています。

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by ishiken55 | 2010-06-07 11:38 | モノローグ | Trackback | Comments(0)

「TAMC 第7回テーブル・サロンマジック発表会」を終えて

一昨日の日曜日(5/30)にTAMCのクロースアップ大会が東京商工会議所で開催されました。自分自身としては今回で三度目の出演です。一昨年は「カップ&ボール+カード」、昨年は「縦笛ウォンド+タバコ+カード」、道具は千円⇒五百円とデフレ経済を反映し低下の一途、今回は遂に210円で済ませました。多分50名近い出演者の中で一番エコノミーな道具立てだったのではないでしょうか。なお前二回は自分のオリジナル作品を主体に演じましたので、大手を振って(?)ネット上に書けたのですが、今回は知人からご教示頂いた作品をベースにしているため…公表は不可、題名を「別れたカードの再会」とした事だけに留めておきます。
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今回も四部屋のうちの一箇所の道具係を仰せ付かり、楽屋に張り付いていた関係で他の部屋の演技は見ることが出来ませんでした。一つの部屋毎に出演者は13人、リハーサルや発表会後の親睦会で見せて貰った演目を含め、個人的にはUさんの「浪曲奇術2010」が一番印象深い演技でした。手品の筋書きはオリジナル、ご自分での生語り、小粋な三味線付き、古希を過ぎてからマジックを始められたとは信じ難い素晴らしい創作マジックです。ステージ用としても通用しますので、多くの方が観られるホールでの再演を期待したいものです。
ダルマの絵は親睦会の余興でアームレスリングの闘将H氏が5分間で描きました。

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by ishiken55 | 2010-06-01 12:19 | マジック ニュース | Trackback | Comments(0)