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二冊の「日本近代奇術史」新刊書をゲット

一年近く前、とある宴席で円卓の対面に奇術研究家の松山光伸氏がおられたので、休刊となったばかりの『ザ・マジック』に長年に亘り連載されていた日本近代奇術史の記事について、自分なりの感想をお伝えしたことがあります。その折りに、松山氏は「近々あの連載記事を元に本を出版する予定です。」と教えて下さったので、「楽しみにしています。」とお応えしました。
c0049409_113187.jpg松山氏とは知人の間柄ではありませんので会話はその場限りのやり取りではありますが、昨今の政治家の軽~い発言を聴くにつけ、言葉の重みを是とする身としては、その本が満を持して出版されたと聴きスルーは出来ません。一昨日東京に行った折りにジュンク堂でゲットしました。但し高価な書籍を購入する際の常套手段“VISAの商品券”をバッパーム?から取出す少々さもしいアクトにて~。
東京堂出版刊 松山光伸氏著 『実証・日本の手品史』 定価;6,300円(税込)
≪幕末以降の日本奇術史の集大成。雑誌に無かった記事も含まれている模様≫

本を抱えレジに行こうとしたら隣の本に目が止まる。おっと、これも手品の歴史書?…手にしたのが藤山新太郎氏の新刊でした。いしけんマジックの青春期にシンクロするマジシャン~引田天功・アダチ龍光・伊藤一葉・島田晴夫・各師の話が一章毎に書かれています。
当時の四師はマスメディアを通して知るのみでしたが、著者は私よりも半回り程年少ながら十代の頃から直に接して来られて、興味を引く逸話などが頻繁に登場し実に面白く、価格も脇に抱えた本に比べたら1/3以下。となれば棚に戻すことは意に反する行為につき、こちらの本もそのままレジへ。最終章の「昭和奇術師廻り舞台」も筆先なめらか。新太郎さんの読み手を惹き付ける文才は、ご本業の芸以上なのでないかと、無礼な想いが心にふうっと~。
角川選書 藤山新太郎氏著『タネも仕掛けもございません』定価;1,785円(税込)
≪副題は“昭和の奇術師たち”。学術的な前作『手妻のはなし』には無い、個々人の魂が飛翔≫

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by ishiken55 | 2010-09-29 11:13 | マジック ニュース | Trackback | Comments(0)

「第52回テンヨーマジックフェスティバル」の工場見学レポート

9月19日(日曜日)、恒例の日本橋・三越劇場で開催された今年の「テンヨーフェスティバル」のタイトルは『FACTORY』。演技が終ると、ステージハンドと称する女性中心の4名の若いスタッフが暗転の中で舞台を整え、次のアクターへと“場”が引き繋がれる。紋切り型の進行とは趣が異なり新鮮でした。そして司会はファンの~ゆみさん。張りがあってハイトーンの優しい語り口を聴いているだけで幸せな気分になります。

さて、今回のテンヨー大会の総合評価は、大好物の目玉焼きは食せませんでしたが、バランスの取れたマジックショーだったと云えるでしょう。ただ一点~惜しむらくは、女性マジシャンの演技が観られなかった事です。プロマジシャン・学生マジシャン共に見応えのある女性マジシャンが一頃より枯渇している顕れなのでしょうか。それでは演技をされた10名(組)の中から、印象に残る演技をピックアップしてみたいと思います。

海外のプロマジシャンは…Tシャツのハ・ウォングン氏と4足歩行のルディ・コーピー氏
Tシャツのアイディアは面白かったけれど、演技がフラットだったような気がする。足のアクトは映像では観ていても実演は初めて。エンターティナー芸としてリピートに耐える一投足。
日本のプロは…スマートなFEEL組、奇マジメ紳士・藤本明義氏、お馴染ふじいあきら氏
トップバッターTAKUYAさんのオ―ソドックス・スタイルの演技は、観ている時は気持ち良かったのに、余韻が残らないのは何故だろう。藤本さんのステージは初めて観賞。体重を6キロ絞られての登場だったそうですが、この方は自重があった方がプロとしての魅力が出そうに思います。お若くは無い?のにチャレンジ精神が感じられますし、ラストのアフロヘアの一発芸には一番驚きました。ふじいさんは演技が見られて良かった~というところです。5,6年前は、昨夜買い物に行った地元のスーパーに営業で来られていたりしていたのですけどね。
学生マジシャンは…マスクの大江さん、四つ玉の鈴木さん、スケッチブックの久保さん
それぞれこの一年、テクニックやアイディアが抜群に秀でたお三方と云っても過言ではなく、各人の観賞は今回で4,3,2回目。このおうちでも称賛したことのある学生さん達です。3年前のテンヨー大会に出演した学生の優秀演者を観た時、秋連や春連では見応えのあったウォンドやシルクの演技も、テンヨーのステージではくすんでしまうのを見ています。今回の3人もその傾向が全く無かったとは云えませんが、プロマジシャンに伍して同じステージ上に立ち、ショーを盛り上げていたことは確かであり、立派な演技であったと思います。

此処で3人の目に触れる事を意識しつつ、バーを越えた演技故、敢えて注文を一つ。
マスク;手持ちプロダクションは割愛した方が良いのでは?面は顔に付けて価値あり。
四つ玉;ロール/フラリッシュは少なくすべきでは?高度な技の魅力をより出すために。
スケッチブック;“色”を取入れると演技が引立つのでは?音を抑えたのは好感。

i-PadのサラリーマジシャンU氏は仲間内だし、2度登場したS嬢のジャグリングは門外漢、よってコメントは差し控えることにします。悪しからズ~。

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by ishiken55 | 2010-09-22 12:37 | マジック ニュース | Trackback | Comments(0)

マジシャンズクラブ(TAMC)の湘南合宿研修会から

先週の土曜日(9/11)午後2時半から、翌日の正午迄の二日間に亘り開催されたTAMC恒例の湘南合宿研修会に参加して来ました。土曜は午前10時に家を出て、途中涼やかな蒲田行進曲が流れるキネマの駅で下車して昼食をとり、川崎で東海道線に乗換え一路平塚へ。時間的に余裕があると思い、徒歩でセミナーハウスに向かうも、猛暑で段々息絶え絶えに…。目的地まであと少しの地点に差し掛かったとき、後ろから黒の高級車が近寄って来て「会場どこ?」と著名な奇術研究家Kさんに声を掛けられる。「そこの松の大木を右折した所です」と答えると、「乗る?」と言われたので「いえ、もうそこですから~!」と虚勢を張る。火照った頭で会場に到着したのは受付時限の10分前、危うく熱中症になるところでありました。

現会長の坂本圭史氏・前会長の都築幹彦氏・前々会長の多湖輝氏の講演、氣賀康夫氏のレクチャー、そして多くの会員の演技&スピーチ、催しは盛り沢山。その中で一番印象に残る一片は、5組に分かれ夜に開催された分科会研修で講師を担当させて貰った事です。講習の演目は「リングとロープ~いしけんバージョン」。受講者は“頭の体操”の多湖先生を始め、何れもクラブ経歴/御年共に私より大先輩の五人衆。夕食会で節操無くビールと赤白ワインをグイグイ行き過ぎたのを反省しつつ、「この手品むずかしいねぇ~」との声にもめげず、みっちり2時間講習させて頂きました。翌朝講習に参加されたUさんと顔を会わせたのでご挨拶、「いや~一晩寝たら昨夜の講習すっかり抜けてしまったよ」と返しの絞め技一本。参った!

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by ishiken55 | 2010-09-16 10:35 | マジック エッセイ | Trackback | Comments(0)

「四つ玉」の和文献紹介

最近の若いマジシャンは、演目の習得にDVDの映像を利用するのが一般的と聴きます。私の若かりし頃は…ビデオも無い時代で、パーソナルな映像は8ミリ映画でした。二十代半ばにフジカのシングル8とエルモ社の映写機を購入し、数年楽しんだ事を想い出します。ただそれをマジックの習得に利用した記憶はなく、私に取ってマジックを覚える教材は昔も今も紙の解説書です。紙片は二次元ですが、そこには四次元の想像空間が潜んでいて、個人毎の解釈が生まれます。半年前、44年振りに「四つ玉」の技法を調べてみようと思い立ち、マジック書の段々畑で“お芋掘り”をしました。今は販売されていない図書が殆どですが、お一人でも参考になればと思い、調査したリストをここに掲載することにします。

≪図書名 / 発行年(邦訳は国内出版年)/ 出版社 / 著者(敬称略)/ 四つ玉ページ≫
① 「奇術種あかし」/ 1951年/ 理工図書/ 柴田直光/ 117~123
  落しボール・両手の改め・ボールの増加・ハンカチからボール・ラストの“二色ボール”に一考の価値。
② 「シカゴの四ッ玉テキスト」/ 1956年/ 天洋奇術研究所/ 金沢孝
  3年前に古書で入手の本につき内容は眺めた程度。玉サイズは寸表示でカラーボールを含む平易手順。
③ 「四つ玉研究」/ 1958年/ 力書房/ 金沢天耕(金沢孝と同一人)
  44年前に自分が演じたボールのベースルーティンとなる懐かしの書。石田天海師の技を継承する一冊。
④ 「奇術研究 30号」/ 1963年/ 力書房/ 高木重朗/ 8~21
  八つ玉の基本手順。トレースをした事がないので評価は差し控える。説明用写真は高木重朗氏ご自身。
⑤ 「四ッ玉の奇術」/ 1963年/ JMA日本奇術連盟/ 小野坂東
  17才の時に最初にボールを学習した解説書。派手さ重視の現代ではスッキリし過ぎてる手順なのかも。
⑥ 「奇術研究 65号」/ 1972年/ 力書房/ 貴天攻/ 37~39
  ちゃんと?した四つのボールを順次出現させる一技。“川の流れのように”淀みなく演じると映えると思う。
⑦ 「Tarbell Course in Magic第2巻」/1976年/ テンヨー/ 加藤英夫訳/ 283‐303
  ボールマジックの歴史やワンボールの技法、そしてストーリー入りの安定感のある1~4~1個の手順。
⑧ 「The Greater Magic LibraryⅣ」/1977年/ユニコンエンタプライズ/高木重朗訳/54‐83
  ボールの歴史の所では、道具の変遷が面白い。ボールはやがて真玉へ回帰すると言うのが私的持論。
⑨ 「図解マジックテクニック入門」/2003年/東京堂出版/カズ・カタヤマ/94‐193
  現代にマッチしたボールの基本技が書かれている良書。この本からはワンポイントながらアクトを拝借。
⑩ 「はじめてのマジックトレーニング」/ 2007年/ いかだ社/ 藤原邦恭/ 32~45
  初心者を対象に書かれてはいるが、簡単な技の中に奥深さを感じる書。この本からも技法一片を借用。

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by ishiken55 | 2010-09-10 12:48 | マジック グッズ | Trackback | Comments(0)

「マジックの想像力」 & 「再々のフォーチュンスティック」

このところの円高と株安で、直接的間接的に被害を被って、欝な気分になっています。この先、経済を立て直す政治力に期待したいと思っていますが、それもこの夏の炎天続きとは裏腹に、後手後手のしみったれ対策と政権の曇天気なごたごた騒ぎ、お先真っ暗な状態です。この際菅さん以下大臣にはマジックの基本講習を受けて貰い、マジシャン的想像力を養う事で、雷鳴轟くような打開策を打ち出してくれないかと~真剣に?考えています。

c0049409_18475675.jpgさてさて、先週UGMに立ち寄った折りに購入した小品は右の商品です。現象を掻い摘んで説明しますと…客は小さい方のケースにサイコロの目が演者に見えない様に入れ、自身で蓋をし、それを演者は大きい方のケースに入れます。そして、そのままの状態で演者が客の入れたサイコロの目を当てるというモノです。

実は店を出た直後、半年前に東京のクラブのメンバーからこの商品を見せて貰った事を思い出したのです。勿論その時タネも教えて貰いました。それなのに、こちらの要請でディーラー氏が演じてくれたのを見ても、タネが判らなかったのです。人間の記憶なんて曖昧なもの。それともボケの症状が出始めたのでしょうか。マスメディアでの種明かし的行為などは好ましい事ではありませんが、最近頓に“種明かし”について寛容になっている私なのであります。

話が変わって…ひと月ほど前、記事に取上げたフォーチュンスティック。本日(9/3)の「カードマジッククラブ」の復習会で、前回時に自製の意思を表明していた会員のKさんが、会が始まる前に「まだ完成品とは言えませんけど、試し品が出来たのでセンセにお見せします」と言って、自分で製作したフォーチュンスティックを手提げバックから取り出しました。

「マークのアイディアは面白いです。ただもう少し大きい印金の方が良いですね。それと貼付けに苦労された跡が見られますが、接着剤がはみ出さないようにしませんと…」と寸評を伝えると、「そうなんです。改良して次回お持ちします」と前向きな発言。私より一回り年長のKさん~市販の商品を少しお見せしただけで自主製作して来られる姿勢に接して、今日の復習会は力が入り、予定していたよりもカードマジックの方は大サービスのてんこ盛り。

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by ishiken55 | 2010-09-03 18:59 | マジック グッズ | Trackback | Comments(0)