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岩波書店「読者が選ぶこの一冊」

c0049409_1435260.jpg岩波書店のPR誌「図書」の7月号に『読者が選ぶこの一冊』と書かれた専用はがきのアンケート用紙が綴じ込まれていました。岩波が出版している文庫・新書から自分がこれと思う一冊に投票すると、その結果は2013年1月号の「図書」に発表され、応募書の中から抽選で千名に5百円の図書カードが進呈されるそうです。

文庫は「寺田寅彦随筆集 第一巻」、新書は・・・と考えて、書棚に目をやったところ倉田喜弘氏著「明治大正の民衆娯楽」(1980年1月初版)に目が止まりました。それほど印象が残っていない本でしたが、“手品/松旭斎天一”の項があり、11ページに亘って文章が載っていました。その末尾に~

c0049409_14275431.jpg以上のような天一の行動を見るとき、その動きにひとつのパターンがあったことを理解されよう。つまり、外国で仕込んだ技術を日本国内に紹介する。ひとわたりそれが終わると、また外国へ出掛けて行く。いうならば、舶来品の販売と同一手順を踏んだといえる。しかし彼には、偉大な遺産があった。艷麗極まりない天勝である。天一が引退したあとの1911年5月3日、二六歳の天勝は、浅草に初登場した帝国館で旗揚げをした。
それからざっと20年、彼女は奇術の女王として君臨する。ことに松井須磨子の没後は、最大級のスターとして絶大な人気を博した。天一、天勝といったスケールの大きな舞台芸がなくなると、日本の奇術界は再び小手先の芸にもどってしまった。人智が進歩して機械化の進んだ現代では、奇術の夢も限界に達したのであろうか。(P.95〜96の一部分を転記)


いろいろ考えさせられる文面に思えます。世上の物事は、同じ道を回帰するモノだと私は常々考えています。ただし同じ道を同じ歩き方ではなく・・・。このほどイギリスのブラックプールで開催されたFISM2012でステージグランプリを獲得したYu Ho Jinさん(韓国)の演技を見ると、それは確かなことに思えてきます。
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by ishiken55 | 2012-07-18 14:48 | マジック エッセイ | Trackback | Comments(0)