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文庫3題 (マジカル2冊+読み納め1冊)

今回は、先月散歩の折に立ち寄った地元の書店で見つけ買い求めたマジカル系の文庫本2冊と、この一年間散歩の折に読み続けて来た作家の文庫本を取り上げます。

新潮文庫 『江戸川乱歩傑作選』
乱歩氏は探偵小説の草分け的存在ですが、この本に収録された作品は大正末に発表された代表的な短編で、多くの作品に手品が絡んでいるのが特徴です。最初の作品「2銭銅貨」は正に手品が主役の構成になっていますし、他の作品も同様にその要素を含んでいて、当時としては高いレベルの手品の知識を持たれていたことを伺わせます。この文庫は昭和35年初版、購入したのは99版でした。乱歩先生は何処まで彷徨い歩いて行くのでしょうか。

新潮文庫・泡坂妻夫作 『生者と死者』 復刊本
この文庫の初版は20年前だそうです。久しく品切れになっていたようですが、先月20版として復活しました。この本は通常の文庫と異なる創りになっているので、製造元の苦労が偲ばれます。それにしても泡坂さん(厚川昌夫氏)はとんでもない本を考えたものです。文庫本のページを切り開くなんて、若い頃(?)に男性雑誌の綴込みページを切り開いた時のワクワク感を思い出してしまいました。話の二重構造にマジカル性が強く込められた作品です。

文春文庫・藤沢周平作 『帰省』 他
この一年間、散歩の合間に40冊の藤沢周平氏の文庫を読んで来ました。しかし来週から生活が変わるため、読み納めです。最後の一冊として今エッセイ集の『帰省』を読んでいます。その中にカール・プッセ作「山のあなた」(上田敏訳詩集『海潮音』より)を取り上げた文章が載っていて、自分も子供の頃に藤沢さんと同じ思いを抱いていたように感じました。そしてその思いは、政府公認の前期高齢者になった今も続いている気がしています。

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by ishiken55 | 2014-04-06 17:52 | 文芸 エッセイ | Trackback | Comments(0)