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再びの『MAGIC BOYS…』

お笑いコンビ゙・ピースの又吉直樹さんが、『火花』で第153回芥川賞に選出されたニュースは多くの方がご存じと思います。その又吉さんですが、5年前に出版された『MAGIC BOYS~マジシャンたちの肖像~』「夕暮れひとりぼっち」と云う題名で17ページの短編小説を発表していることを知りました。そしてこの作品を書いたことが小説家への大きな第一歩になったようです。私~現在日常は自宅に居ないため、手元にこの本がありませんでしたので、昨日自宅に立ち寄った折に『MAGIC BOYS…』を持ち帰り、先程再読してみました。

「もうおいいかぁい」・・で始まる話は・・寡黙でおとなしい小学生の少年を軸に、老人手品師が絡むストーリーで、終盤のWパラドックスは巧みな創りで面白い。しごく短い小説ながら、最初に構成を確り考えて書いたことが読み取れるし、文中の文章は定型に陥らずに表現されていて、この人が多くの小説を読んで来ていることが窺われます。その中で、気に入ったフレーズを4つピックアップさせて頂きます。
 * ごく平凡な人間は自分の想像力を超えるものを恐れ、認めたがらない・・・
 * 哀しみは我慢出来ても優しさには堪える事が出来なかった。
 * 少年にとって人の干渉を受けた上で突きつけられる孤独ほど恐ろしいものはなかった。
 * 「まぁ地震など災害時の対処本なんかは腐る程出版されてるんですがね、・・・
  (この文面は東日本大震災の前に書かれていることをご考慮ください。)


『MAGIC BOYS…』の発行部数は数千部と推測しますが、小説『火花』は、当初「文學界 2月号」に掲載されて、純文学系の雑誌としては異例の増刷となり、その後文藝春秋社から単行本化、既に百数十万部が発行されたそうです。芥川賞の受賞を含め、経緯について巷では色々な囁きが耳に入りますが、芸人さんが芥川賞を受賞したのは、一重に喜ばしい出来事と思っています。因みに~自分は未だこの小説を読んでおりません。次月の「文藝春秋」誌に掲載される筈なので、一番経済的でオマケ付きの本にて拝読しようと思います。

なお、この“おうち”で『MAGIC BOYS…』を取上げたのは、2010年4月18日の記事でした。蛇足ながら~以下にそのときの文面の一部を転載します。
「・・・この本を簡潔に表現すると~スイカかメロンの様な球形をした日本マジック界を、任意の箇所から包丁でスパッと切り、その断面に現れたプロ・クリエーター・研究家・社会人・学生・子供迄のマジシャン達を、有名無名を問わず、その姿を写し撮り、文を添えて一冊の本に纏めた~と言ったら良いでしょうか。―(中略)― この本の52ページに母校の奇術部が掲載されています。」
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by ishiken55 | 2015-07-27 17:25 | マジック ニュース | Trackback | Comments(0)

「FISM イタリア リミニ大会」についての独り~言

今月の6日からイタリアのリミニで開催されたマジックの国際大会FISM、自分自身は行くことが出来ませんでしたが、マジック関係の友人知人10名程が当地に行かれ、観客としてFISMを楽しまれたようです。そしてFISM大会も終了し、最終日の11日にはコンテストの受賞者が発表されています。グランプリは、ステージ部がスペインのヘクター・マンチェ、クロースアップ部門はスイスのピエリックが選ばれました。また、8つの部門賞も発表されましたが、残念ながらその中に日本のチャレンジャーの名前はありませんでした。そして部門賞受賞者30人の中にコリアンが7人、今回も韓国の台頭が顕著に表れた大会だったようです。

FISMは1948年にスイスのローザンヌで設立され、第1回大会もその地で開催。今回のリミニ大会が第26回だそうです。世界の国を対象にしてはいるももの、ヨーロッパ中心の色合いが強く、マジックが盛んな米国人の受賞者やチャレンジャーは見当たりません。米国を中心としたIBMやSAMと云った組織とは対峙した関係にあるのかも知れません。今回の大会には28ヶ国から146人(組)がエントリーしたそうですが、やはり日本人の受賞者が居ないのは、とても淋しい思いがします。
審査基準は; 技術 演出/表現力 楽しさ 構成 独創性 雰囲気
評価の基準としては、それなに理解できる項目が並んでいます。

前回のブラックプールと今回のリミニの2大会に渡り邦人の受賞者を輩出できませんでした。その改善策ついて考えてみたいと思います。一番重要なのは~(発掘・育成を含め)素養を持った人材を確保する後援組織の充実であると考えます。現在の組織は、ステージはSJMとJPMA、クロースアップはJCMAです。SJMはよく知りませんのでコメントを控えます。JPMA(日本奇術協会)はプロマジシャンの公益社団法人です。ここがもっと本腰を入れ、内部から多くのチャレンジャーを送り出す意気込みが必要だと思います。クロースアップのJCMAはそれなりに頑張っているのは分かりますが、プロ絡みの組織が加わらないとレベルアップは難しいように感じます。
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by ishiken55 | 2015-07-18 17:29 | マジック エッセイ | Trackback | Comments(0)

マジック界の師弟~散々考

先週の木曜日(7/2)、所属マジッククラブの例会にゲストとしてプロマジシャンのスプリット百瀬氏と若い女性マジシャン能勢ゆりえさんが来会されました。百瀬さんはロープとシルクの演技を披露しつつ、細部の表現の仕方や、観客に見せる体勢 / 隠す動作の姿勢~などについて解説をされました。能勢さんは大きなシルクを使った6枚ハンカチを演じてくれました。初めて演技を拝見した時は高校生でしたが、現在は精神内科のお医者さんだそうです。

ご存じの方が多いでしょうか、能勢ゆりえさんはスプリット百瀬氏のお弟子さんです。能勢さんが百瀬氏に弟子入りしたのは中学生の時だそうです。でも、何故にマジックを学ぼうと考えたのか~何故に百瀬氏を師匠に選んだのか~不思議でなりません。その事を二次会で伺おうと思いつつ・・当方が酩酊してしまって聴きず仕舞い。しかし、能勢さんは百瀬氏に弟子入りしたお陰で、華麗なテクニックを習得し、FISMにもチャレンジ出来たのだと思います。

今回スプリット百瀬氏の話の中で、氏は中部地方に住まわれていた関係から、手品の最初の師匠は澤浩さんだったそうです。そして東京に出られてから、高木重朗氏と石田天海師から教えを受けられたそうです。ですから、百瀬氏は師匠として~澤さん、高木さん、天海さんの三人の名を挙げられておりました。そしてこの方はマリックさんの兄弟子に当たる方ですが、人生については色々と辛苦を経験されて来られたと、ご自身も話されておりました。

考えれば・・師と云える方が居ることは大変幸せなことだと思います。自分自身を振り返ると~マジックを始めた時は同好会に先輩がいて親切に教えてくれました。ただ年齢的には二つほど年長に過ぎず、一年もすれば技量は同じレベルに達してしまいます。その後は自分が学生のクラブを牽引しなければならない立場になり、社会人になってからは長く独学で通しました。しかし、今は氣〇康〇氏と云う創意溢れる奇術研究家の弟子なのだと勝手に自認。
(師の名を伏字にしたのはご本人のチェックに掛らないための奇策の一手~?)

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by ishiken55 | 2015-07-08 17:34 | マジック エッセイ | Trackback | Comments(0)